「年3500冊を読破する」速読術を佐藤優氏に聞く
速読法の基礎固めには、高校教科書を復習せよ
読む価値のある本は、重要箇所を中心に30分~1時間で読みます。重要箇所は鉛筆で囲み、そのページの隅を折ります。これが私にとっての普通の速読です。こういう手順で私は毎日、10冊程度の本の内容を把握します。こうして年間に3500冊程度の本から速読で情報を吸収することができます。
速読を身につけるためには、精読を通じ、基礎教養を広げることが不可欠です。高校の教科書レベルの知識がしっかり身についていれば、ほとんどの専門書を読みこなすことができます。したがって、速読法の基礎固めとして有益なのが高校教科書の復習と考えます。
さらに速読にとって重要なのは、動機です。○月×日までに、この知識を身につけなくてはいけないという状況に追い込まれると、速読しているときに重要箇所がテキストの中から浮かび上がってきて、しかも記憶に定着します。外務官僚時代、私は仕事で、毎日、新書本2~3冊分の分量に相当する文章を読みました。
この経験から、知らず知らずのうちに速読術が身につきました。
【佐藤 優】
作家・元外務省主任分析官。’60年生まれ。同志社大学大学院修了後、外務省に入省。在ロシア大使館三等書記官、国際情報局分析第一課主任分析官、大臣官房総務課課長補佐を歴任。週刊SPA!にて「インテリジェンス人生相談」を連載中
― 速読で人生を倍速にする ―
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