お見合い5秒で「ない」と思った“イタすぎ男”。100回お見合いした私が思う
お金はあるのに自己肯定力の低い30代弁護士
続いては、30代・弁護士の男性。ご同業の先輩を通じて、紹介を受けることになりました。待ち合わせ場所は、素敵なホテルのラウンジ。私は期待に胸を躍らせながら、現地へと向かいました。しかし、ひと目見た瞬間、私のなかの「5秒でないわ」が発動しました。
スーツ姿は好印象ですが、だいぶクリーニングしていないのか表面の“テカり”が目立ちます。シャツの襟袖は薄汚れていて、髪は清潔感のない白髪混じり。極め付けは歯でした。歯並びが悪く、歯石とタバコのヤニで歯が変色していたのです。「口臭だけは避けたい」と思った私は、彼と向かい合って座るのに若干の距離を置きました。
彼が私の身なりを見て「それっていくらですか?」と尋ねて来たとき、正直ドキッとしました。紹介者の手前、私は華美になり過ぎない清潔感のある服装になるよう注意を払っていたからです。私が言葉を探しているうち、彼はこう続けました。「ユニクロでよくないですか? 僕はユニクロで10年前に買ったものも大切に着ています」と。
もちろん私も、ユニクロを否定するつもりはありません。ただ、彼の身だしなみには、どう考えても説得力がなかったのです。「オレはイケメンじゃないから」「服にお金をかけるのは無駄」など、ネガティブな言葉が多かったのも彼の特徴。清潔感のなさは、“自己肯定力の低さ”から来るのだとそのとき悟りました。
ちなみに、その日の料金を支払ったのは私です。彼からは「半分払います」の言葉もありませんでした。当時、私は20代前半。彼は10歳以上年下の女性に支払われても、なにも感じない不誠実な男だったのです。お金はあっても、その価値を見出せない彼を、私は「リッチホームレス」と名付け、今でも脳内に焼き付けています。
「変えられる条件」が婚活成功の秘訣
見た目や求める条件には、変えられないものと変えられるものがある――。そのことに気付いた私は、結婚したいという友人に「相手に求める譲れない条件3つ」を聞いて、男性を紹介することにしました。
たとえば女性が長身で、相手に自分より高い身長を求めるなら「変えられない条件」になるでしょう。「長男」を除いてほしいというのも、生まれの問題ですから変えることはできません。また、アラサーの男性に「医者」や「弁護士」に転職してほしいと言っても、簡単には変えられないのが現実です。
ところが、NGに「太っている」「ダサい」「収入が少ない」「優しくない」「婿入りできない」「地方に引っ越せない」という条件を挙げている場合、改善の余地があります。これらはすべて“後天的要因”だからです。お互いのアドバイスや頑張り次第では、見違えるほどの変化があるかもしれません。
逆に、あなた自身が「相手側に提供できる」、あるいは「妥協できる」ところはどこでしょうか? 実は、そこを考えたほうがずっと建設的で視野が広がります。そして、それが「先天的」か「後天的」を考えることで、自分の「できること」「できないこと」もわかってくるはずです。ひとつずつノートに書き出してみると、よりクリアになるでしょう。