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気になるイケメンはマルチ商法の会員。「ダマされた!」と悟った瞬間

コラム

Hさんが助け舟を出してくれる

 その場の空気は「いま購入しないと、会議室から出られないよ」というものでした。すると、Hさんが「いきなり入会して、美容商材25万円購入っていうのも、大変だよね」と、助け舟を出します。

「売ったことのない人が売るのは難しいと思ったのでしょう。『せっかく来てくれたから』と言って、8万円を自分の財布から出して立て替えてくれたんです。私のためにお金を出してくれるなんて、感動しました」

 残り17万円だったら、友人や知人に売れば、余裕で元を取れるだろうと思った佐藤さん。クレジット決済の用紙に17万円と書いて、押印したそうです。

「会社を出るときに、Hさんに『今度、食事しよう』と誘いました。彼は『いいよ。売り方もレクチャーするね。しっかり稼いで。応援するから』とにっこり笑ったので、私は有頂天で帰宅しました。スマホでデートする店を検索してみたりして」

5日後に商品が届いてLINEをしたら…驚がく

マルチ商法

 その後、HさんにLINEをすると、「今日はお忙しいところありがとう。商品は1週間以内で届きます。明日から地方出張なので、またLINEするね」と返事。佐藤さんは「待っているよ」とLINEしましたが、心のどこかで何かが引っかかっていたそうです。

 5日後に商品が届き、すぐに売り方を教えてほしいとLINEしたところ、Hさんからブロックされていたことが発覚します。

「やられた! と後悔しました。会社に電話をしましたが、Hさんも、説明してくれた50代のおじさんも、どちらも出張中で留守だというのです」

 連絡をくれるように会社に伝言を残しても、案の定何も連絡がなく、アパートには山のように美容商材の段ボールが積み重なったまま。古典的な手口にまんまとだまされてしまった佐藤さん、今でも途方に暮れているそうです。

特集・今さら後悔している自己投資

<取材・文/夏目かをる イラスト/デザイア恵利(@desire_eri)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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