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「全員つまんねえな」人気漫画家が大学生の葛藤を描く理由

小学生からずっと「本流」にいたことがない

全員くたばれ大学生

「全員くたばれ、大学生」(週刊SPA! 2018.7.10号より) ©サレンダー橋本/扶桑社

――そうしたこじれた大学生活が、週刊SPA!に連載中の『全員くたばれ!大学生』に投影されているんですね。

橋本:大学時代はいい思い出がないですね……。自分は小学生くらいの頃からずっと、「本流」とか「真ん中」にいたことがないんです。どちらかというと地位の低い側というか。

 大学は理系なんですが、「あの大学に理系なんてあるの?」って言われ続けたし、会社も業界1位とか2位ではないし、部署も花形じゃないようなところだし。僕はそういう位置にずっとい続けているんですよね。

――なるほど、だから傍流の人に寄り添うような目線の作品が描けるんですね。

橋本:高校まではクローズな所で強制的に友達にならざるをえないけど、大学になると放り出されるから、自分は上手く友達が作れなかったんです。『全員くたばれ!大学生』は、そんな過去の自分に対して、当時この漫画があったらちょっと楽だったろうなというものを描いているような気がします。

サラリーマンと漫画家の間で…思うこと

全員くたばれ大学生

『全員くたばれ大学生』(扶桑社)7月15日発売

――いい思い出のない大学生活を終えて、就職したら、人付き合いをちゃんとやろうって思ったりしましたか?

橋本:うーん、そこまで思ってなかったですね。でも、当時つきあっていた彼女には「ちゃんとしろ」と言われ続けていたので、ギリギリの社会性は保とうという感じで就職活動をしました。

 職種別採用で、技術職でエンジニアとして入ったので、希望通りといえば希望通りなんです。でも会社的には裏方なので、希望して入ったところなのに胸を張りにくいというか、人に言いづらいというか……。そこに序列があるわけではないから、本当は関係ないはずなんですけどね。

――そうした肩身の狭さが、働きながら漫画を描くことにつながったんでしょうね。

橋本:漫画は会社から帰ってから夜に描いています。本業と副業をやると、休める時間がどんどんなくなっていくので、働き方改革的には逆行してるともいえるんですが、でも魂は安定するんです。肉体的にはキツいけれど、精神的な安定が得られるんですよね。漫画は何時間でも描けるんです。漫画を描くという作業が好きなので。

全員くたばれ! 大学生1

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