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ネグレクトや貧困を乗り越えたベストセラー作家の秘話「自分の物語は自分が決める」

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自分の物語は自分自身で決める

ガラスの城

© 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

――ゴシップコラムニストとしてトランプ氏に何度もインタビューされたのだとか。トランプ氏が大統領になるとは想像できましたか?

ジャネット:イエスとノーね。選挙前まで、多くの人が彼を過小評価していました。私が知っていた彼はとても油断ならない人物。彼はそれほど知的とは言えませんが、政治家がやらないような汚いやり方で闘える。殆どの人々は闘うことを嫌い、なんとか避けようとしますよね。その隙をトランプ氏は見つけ、攻撃してくるんです。彼は、「誰が敵で誰が味方なのか」「この人の弱みはどこにあるのか」を嗅ぎつけ、弱みにつけこんで人を利用する、まさにストリートファイター。

 また、彼は昔から世間の注目を集めることが大好きで、わざと自分のゴシップをメディアに流したりしていました。例えば、マドンナやダリル・ハンナが自分にデートを申し込んできたとか、そんなことをね(笑)。もちろん、彼女たちは否定していましたが(笑)。

 でも、ニュースに自分を取り上げてもらえることで自分の存在をセレブ化してしまった。ヒラリーは彼ほどメディアを熟知していなかったんでしょうね。褒めているわけではありませんが、トランプ氏は自分の物語を人に伝えるのが上手なんですよ。

――最後に、自分の過去に向き合えない人、自分を見失っている人たちになにか伝えたいことは?

ジャネット:誰にだって自分の“物語”があります。それをどのように自分で解釈するのか――。自分の物語をどのように人に伝えるのか――。自分の物語を幸せだと思うのか、不幸だと思うのか――。自分の過去をどのように受け止めるかによって、自分の人生を好きになれるかなれないかが決まります。

 過去に目をつぶると、過去はどこまででも追いかけてくる。過去を受け入れ、自分を信じ、周りの人々を信じてほしい。自分に厳しくしすぎないで。そして、自分だけの物語を伝えて下さい。自分の物語は自分自身が決めるものなのだから――。

<TEXT/此花さくや>

映画ライター。NYのファッション工科大学(FIT)を卒業後、シャネルや資生堂アメリカのマーケティング部勤務を経てライターに。ジェンダーやファッションから映画を読み解くのが好き。手がけた取材にジャスティン・ビーバー、ライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、デイミアン・チャゼル監督、ギレルモ・デル・トロ監督、ガス・ヴァン・サント監督など多数Twitter:@sakuya_kono、Instagram:@wakakonohana

【公開情報】
ガラスの城の約束』は6月14日より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
© 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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