東京海上日動、障害者の雇用拡大へ 業界初の「特例子会社」とは?
東京海上ビジネスサポートで4年間働いている小林直樹さん(25歳)に話を聞いた。
「東京障害者職業能力開発校の職域開発科ができたとき、そちらに半年間通っていました。そこには発達障害と精神障害の方がいらっしゃいました。
そこで事務の作業と物流の作業を経験させていただいて、自分の特性に合った仕事をしたいということで、この会社を紹介していただいたのです」
データ入力、印刷業務……発達障害者の業務
小林さんが学んでいた「東京障害者職業能力開発校・職域開発科」は、ビジネスマナー・コミュニケーションスキル・健康管理等の社会生活技能を身につけるとともに、障害への理解・認識を深めることで、個々にふさわしい就労形態や職種を見出すための技能訓練をする場所だ。
東京海上ビジネスサポートの主な業務内容は、
・インターネット通販サイトにおける販促品ノベルティや、カレンダー、オリジナルノベルティの製作・販売
・通勤用定期券の申請受付
・ドライブレコーダー解析業務
・通販文具の販売
などだ。
障害者の職域としては、PCのデータ入力業務、文書の電子化、封入・発送などに加えて、印刷業務、社内の書類の仕分けや館内のデリバリー、総務代行業務なども行っており、自社内でカフェ業務に携わっている障害者もいるという。
障害者が主体的に作業できるように作業工程を考え、仕事の指示を出して指導しており、従業員は1日の仕事をホワイトボードで確認できるようになっている。5名の障害者に対し、指導員が1名ついてそれぞれの業務を行なっている。
「今でも、3か月に1度ぐらいのペースで通院」
小林さんが発達障害と診断されたのは、今から19年前に溯る。
「発達障害と診断されたのは小学校1年のときです。そのときは、アスペルガー症候群と言われて、小学校3年の時に広汎性発達障害と医師から告げられました。
今でも、3か月に1度ぐらいのペースで通院しています。いつも順調にやっていますということで、担当の先生も凄く喜んでくれています」
かつては「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」「自閉症」などの名称は、現在では、これらはひとつの連続体(スペクラム)と考えられるようになり、「自閉症スペクトラム障害」という呼び方になっている。