ひたすら結婚資金を貯金しながら女性を避ける「絶食系男子」の悲しいトラウマ
バイト先で彼女ができるも、結婚を迫られ……
帰りの電車で話しているうちにどんどん仲良くなり、ある日むこうから告白されます。
「あとで話を聞いてみると、どうやらその子も大学でボッチだったらしく、似た者同士、気が合ったんだと思います。ディズニーランドやサンシャイン水族館など付き合っていなければ絶対に行かなかったでしょうね。本当に楽しい日々でした……」
しかし出会いもあれば別れもあるもの。付き合い始めて4年がたち、お互い新入社員として働き始めたころ、突然彼女から結婚してほしいと詰め寄られます。
「すごく迷ったんですが、まだ全然仕事に慣れていなかったこともあり、とりあえず『一人前になるまで待ってください』と返答したんです。正直、あと数年は待ってくれるかなって予想していたんですが、彼女の決意は固く、別れることになってしまいました……」
辛い別れを経て、ある決心を固める
何とか復縁しようと試みたものの、まったく連絡が取れなくなってしまいます。
「そこまで頑なだった理由は、彼女の親が晩婚だったので、なるべく早いうちに孫の顔を見せたかったらしいと、共通の知人伝いで聞きました。別れて1年くらい経って、これまた知人伝いで彼女の結婚を知りました。あのとき即答できなかった自分を責めましたね」
人生で唯一自分を好きになってくれた彼女との別れを悔やんだ田中さんは、とある決意を固めます。
「当時の僕は自分が稼げていないことが恥ずかしかったんです。なので、今度女性と付き合うときは、もう2度と同じ轍はふまないぞと決心を固めました」
合コンや夜のお店のお誘いを断る生活
「婚約・結婚指輪、結婚式、新婚旅行に加えて、将来、子供に満足な教育が受けさせるにはいくら必要か自分なりに試算して、周りからケチと言われようとその額を目標にひたすら貯金することにしたんです」
それからは合コンや、女性が接客してくれる夜のお店の誘いなどは全部断ったという田中さん。
「例え、その場にいる女の子を好きになっても目標額に達してない状態ではまた前と同じことをくり返してしまいそうで……。万全の状態になってからじゃないと、恋をするのが怖いんです。
日に日に増えていく残高を見ながら、いつか来るであろう使い道を妄想する時間が心の支えでした」