数億円の請求も…コンサルタントの仕事が消滅しない4つの理由
3)第三者の客観的な意見「お墨付き機能」
社内で十分に調査や議論を進めたとしても、自分たちだけで出した結論が良いものかどうか、相対的に判断しづらいものです。
そこで、中立な立場でコンサルタントに意見を求めることで、自社で出した結論のお墨付きをもらう、もしくは不足点を補うことができると考えます。つまり、「第三者の客観的な意見」を買うのです。
その第三者に求められることは、もっともらしさ、つまりブランド力です。本来、コンサルティングは極めて属人性が高い業務で、本質的にはどこのファームに依頼するかより、誰に依頼するかのほうが重要です。
しかし、単にお墨付きがほしい場合は、優れた無名の個人よりも、有名なコンサルティング会社に依頼したほうが、上司に提案するときに中身はともかく説得力が増します。
もっともらしい他人の言葉のほうが、身内から出た言葉よりも納得してしまう。誰にでも経験があるのではないでしょうか。
4)大きな組織の「社内政治の調整弁」
コンサルティング会社の役割のひとつに、部外者だからこそ社内事情にとらわれず、正論を言うことができます。
原則、組織は拡大するほど、合理的に構造化されます。機能別に部署が分かれ、ピラミッド状に役職が決められます。合理的に構造化されればされるほど分業が進み、逆に部門横断や決められた役割外の業務を行うことが苦手になります。
外部のコンサルであれば、これらの組織のしがらみに捕らわれることなく、横断的な活動や提案を行うことができます。また、一時的に委託した外部であれば、悪者として欠席裁判もしやすい側面もあります。
例えば、営業部門出身のメンバーが他部門をリストラしようと提案すると、部門間の軋轢が生まれそうですが、コンサルタントにやらせることでいがみ合いを回避することができます。
ネガティブなイメージが生まれがちでも…
ここまでコンサルティング会社へのニーズをいくつかまとめてみました。
注意するべきは、これ自体がポジティブともネガティブとも判断しがたい点です。ネガティブなイメージは、コンサルに対する期待と実態に乖離(かいり)があるために生じます。
結局は「決めるのはあなた」というサービスであることを踏まえた上で、コンサルタントを活かすも殺すも、依頼人次第といえます。コンサル業界を志望するみなさんお気をつけください。
<TEXT/KT Total A&C firm>