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インターンの女子大生は社内合コン要員だった…大手広告代理店でのイヤ〜な記憶

学び

「合コンに参加するのをやめる」と語る女の子

 そんなある夜、溝口さんら男子インターン生3人が、たまたま入ったお店で偶然、合コンの現場を目撃してしまったのです。

「カウンターで飲んでいたら、職場で聞いたことのある太い声がしたんで、思わず奥のテーブル席を見たんです。男性社員5人に、インターンの女子大生5人。楽しそうに飲んでいる男性社員に比べて、女子大生は就活のために、精一杯もてなしているという感じでした」

 その翌日、溝口さんは偶然に、給湯室の隣で昨夜合コンに参加した女子大生の会話を聞いてしまったのです。

「合コンに参加するのをやめる」と語る女の子と、「やめるときっと落ちちゃうよ」と心配するもう一人。しかし、「合コンしたから、就職できる、なんてウザイよ。私、やめる」と颯爽とした口調で決意を語ったのです。

インターン女子大生と男性社員の合コンが問題に

インターン

「そして翌日、一人の女子大生が去っていったんです。合コンがウザくてインターンをやめた子のことは、あっという間に社内に広がりました。なかには、ライバルが一人減って安堵する子もいれば、共感する子も。

『そもそも合コンに参加させるインターンシップって何よ』と、そのものに疑問を持つ人など、グループLINEでいろんな声が出てきたのが面白かったです」

 ついにインターンの女子大生と、総務や人事、営業の男性社員との合コンが役員の耳に入ります。当然、合コンが再び開催されることはありませんでした。

「ところが、したたかな女子大生が一人いたんです。その子は他社に就職したのですが、3年後にその時の合コンで知り合った社員と結婚。インターンが終了してから付き合ったそうですが、真偽はわかりません」

 溝口さんは、広告業界はもうこりごりだと、中堅の人材派遣会社に就職。企業の人事からインターンシップの相談を受けるたびに、当時のイヤーな記憶が蘇るそうです。

特集・あなたも被害者?ブラックインターンの実態

<取材・文/夏目かをる 取材協力/矢加部英達 イラスト/Yopsymi(@Yopsymi)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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