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飲み会で女子社員がチアダンス。組織的アルハラに幹部が激怒

ビジネス

「これがいやらしい」という気持ちはなかった

飲み会

「本格的な舞台で踊るとなれば、ますます失敗はできません。同期女子でお泊まり会をして練習をしたことも何回もあります。案の定、階下の住民からクレームがきました」

 結果、チアガールは大評判だったとか。「まぁ、お酒も入っているし、おじさんが多いなかで若い女子がミニスカートで踊って、会社の名前を叫べば盛り上がりますよね」と淡々と振り返ります。

 ミニスカートを履いて人前で踊ることに抵抗はなかったのでしょうか。

「“そういうもの”として、代々受け継がれてきたのと、こちらとしては本気で踊っていたので、これが嫌とかいやらしいとか、そんな気持ちもなく当然のように踊り狂っていました」

「喜び組だ!」役員女性が真っ当に怒る

 しかし、熱心に取り組んでいたはずの忘年会はその後、急展開を迎えます。

「去年は、部署の売り上げが好調で、忘年会の規模も過去最高になりました。部長からも『盛大にお祝いをしよう』というお達しがあり、若手女子をかき集めて、大規模なチアグループを結成したんです。役員クラスの人もたくさん呼んでいました。そこに忘年会に初めて出席する女性幹部がいて大問題になりました」

 一体、何が起きたのでしょうか。

「女性幹部がチアダンスを見て『これは喜び組だ。女性社員になんてことをやらせてるんだ!』と怒ったんです。普通に考えれば、明らかなセクハラだし、会社的にも問題になってもおかしくないですよね。でも、みんなお祭り騒ぎで感覚がマヒしていたんです。会社の幹部会に持ちこまれ、部長は大目玉をくらったと聞きました」

あっという間に縮小された忘年会

 女性幹部の怒りは真っ当としか言いようがありません。大目玉をくらって、今年の忘年会はどうなるんでしょうか。

「すっかり部長もメンバーもしょげてしまって、今年は小さい単位でこじんまりと忘年会をすることになりました。でも、若手はみんなホッとしています。部活のような猛特訓をしなくていいという安心感と、若手の採用人数が年々減少してきているのも大きいです。

 今までは4年目社員くらいまでしか踊らなくてよかったんですが、人手不足で上の年齢の人まで呼ばれていたんです。女性の私から見ても、30歳目前でチアの衣装はキツいですからね……」

 それぞれいろんな思いがあるようです。とどまることを知らずに拡大していく忘年会が、社外の目にさらされる前に歯止めがかかったのはラッキーと言わざるをえません。

特集・[飲みハラ]実況中継 Vol.9 ―

<TEXT/瀧戸詠未 イラスト/デザイア恵利>

フリーライター。教育、ビジネスを中心に記事を執筆中。お酒と食べ歩きとひとり旅が趣味

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