なぜバフェットはコカ・コーラの株を買うのか?「テーマ投資」社長に聞く
1年3か月ぶりに2万円の大台を割った日経平均株価。アメリカ株式相場が大幅下落し、悲観ムードが漂っています。そんななか、10年ぶりのネット証券新規参入で注目を集めるのがFOLIO(フォリオ)。
創業者の甲斐真一郎さん(37)は京大在学中にプロボクサーとして活躍。卒業後はゴールドマン・サックスに入社した異色の経歴をもつベンチャーCEOです。
そんな甲斐氏に今回は投資初心者にこそおすすめしたいという「テーマ投資」について話を聞きました。
投資を身近に。FOLIOのキーワードは「生活感」
――FOLIO(フォリオ)の特色を教えてください。
甲斐真一郎(以下、甲斐):「生活圏」をコンセプトに「テーマ投資」を打ち出したネット証券です。そもそも世の中って「生活圏」と「経済圏」に分かれているんじゃないかと思ってて。
――「生活圏」「経済圏」というのは?
甲斐:たとえば、「日経新聞を毎日読みます」「自分で証券口座開設して株取引してます」といった人たちが「経済圏」で暮らす人といえます。でも、日本で投資経験がある人は1千万人に満たない。日本の人口の10%もいないんです。日本人の9割くらいが「生活圏」という感覚です。
――なぜ、分断されてるのでしょうか?
甲斐:いろいろあるんですけど、証券会社のサービスの多くが経済圏の人向けに作られているからだと思っています。経済圏に入らないと触れられないサービスで、そこにある商品もサービスも専門的で、初心者は何を選んだらいいかわからない。
――ネット証券が普及したとはいえ、まだまだ初心者にはハードルが高いということですね。
甲斐:取引体験にしても、注文種類を選んで板を出したりって、そもそもやったことない人にはわからないじゃないですか。これって、「経済圏」の用語や体験の嵐なんですよ。僕らが「経済圏」からいくら「おいでよ」と言っても来られないわけです。ハードルが異様に高いので。そこで必要となるのが金融商品や金融体験の「生活化」なんです。それをキーワードにサービスを構築していたら、結果として「テーマ投資」になりました。
個別銘柄を財務分析するのは難しい
――テーマ投資の仕組みについて教えてください。
甲斐:市場の個別株を集めてきてテーマでくくったものと考えてください。たとえば「寿司」というテーマを設定して、寿司に関する銘柄を10社集めて少額から買えるようにしたものです。テーマはカジノ解禁や自転車、コーヒーなど、現在80以上用意しています。ほとんどが生活圏に根付いたものです。 なかにはコスプレなんて変わったテーマもあります。
――確かに身近に感じられそうです。
甲斐:テーマでくくることで「生活化」させたのです。自分がよくわかってる産業や、これが来ると思ったテーマのほうが、投資のファーストステップのハードルが低くなります。初心者が大企業の個別銘柄を財務分析していくのは、すごく大変ですし経験者でないと難しい。FOLIOでは顧客体験もとても簡単になってて、テーマを選んでカートに入れれば終わり。ネットショッピングのような感覚です。
――複数の銘柄をまとめて買えるのですね。バスケット的に株を買うのであれば、投資信託ではダメなのでしょうか?
甲斐:投信は今6000本以上あって、上場企業の数より多い。そのなかから投資信託の名前を見ても、どういう商品かわからないですよね。生活圏に寄り添ってるとは言い難い。