転職をサポートする会社が「退職代行サービス」も請け負うワケ
退職代行サービスは「どこかで消滅しそう」
――金額はいくらでやっているんですか?
川畑:3万円ですが、転職サポートをやって弊社経由で入社してくれたら無料です。
――退職代行を依頼してきた方が働く業種は慢性的に人手が足りていない印象です。
川畑:ニーズはあるけど、待遇が悪くて労働環境が整ってないです。誰でも良いから来てほしい。選考もザルなところが多いです。
――今後、退職代行サービスはどうなっていくんでしょう?
川畑:どこかのタイミングで消滅しそうな気もします。なぜならサービスを提供すること自体は簡単すぎるからです。そこまで高度なノウハウがあるわけでもないと思っています。新規で参入しようとしたらいくらでも参入することはできる。実際競合他社も増えていますしね。
無料で退職ノウハウを公開する企業も出てくると思いますし、「意外と簡単に辞められそう」と感じて自分で退職するユーザーも増えるのでは?と考えています。
転職活動する人はまず何から始めるべきか
――転職を思い留まったほうが良い人もいると思うんですが、実際に会われたときに断ったりするような事例はあります?
川畑:あります。現実的じゃない条件を求めている場合です。「今の年収450万で友達が600万円もらっているので、自分も年収上げたいんです」って言われても「ちょっと待ってください、Aさんの今までの経験だと転職しても年収上がらないです」と指摘し、転職を思い留まらせることもあります。
「Aさんの市場価値は300万~350万円なので、今もらいすぎてるくらいですよ」ってケースもあります。お金だけが理由だったら、そもそも転職せずに今の会社でステップアップしていったほうが良いです。もしくは同業での転職をして、今まで働いた経験を活かさないと、市場価値がリセットされてしまい、年収上がらないよって話です。
――転職する人に対して、まず何から始めるべきか、アドバイスはありますか?
川畑:何を変えたくて転職するか明確じゃない場合は明確にした方が良いですね。転職の条件が何個あって、優先順位が高い条件は何か。最初に年収がくるのか、やりがいがくるのか、順番まで考えるべきです。
全部は満たせないことが多いので、ここは譲れる、ここは譲れないとか、条件の精査は必要ですね。その条件が本人の市場価値とあまりにもかけ離れていると上手くいきません。
<取材・文・撮影/ヤナカリュウイチ>