年収1000万円・28歳医師「医者狙いの婚活女子」への本音は…
あなたは年収1000万円以上の人の割合をご存知ですか。――答えは4.5%。これはだいたい見当がついた人もいるかもしれません(※1)。
では20代で限定するとどれくらいだと思いますか。――たったの0.3%しかいません(※2)。
果たして20代の年収1000万円プレイヤーとは、どんな価値観の持ち主なんでしょうか。医師であり、医療IT会社の社長でもある石川隆さん(仮名・28歳)にお話を伺いました。
父親も医者。お坊ちゃんの自覚はあったのか
お金持ちの職業といえばお医者さま。医師が20代で年収1000万円に到達するのは珍しいことではないそうです。石川さんが年収1000万円になったのは医師になって3年目。27歳のときでした。
「年収が1000万円だとわかったときは、3年目にしてはすごいなと思いました。でもこれは民間病院ではなく大学医局でのことなので、配属次第でその翌年には400万くらいになる可能性があるんですよね。だから今のうちに貯めておかないと、と思いました。もちろんうれしい気持ちは強かったんですけど」
淡々とした冷静な語り口からは堅実な性格が伺えます。父親も医師という石川さんは、小学生の時から医師になること目標に猛勉強。見事現役で最難関大学の医学部に合格しました。
いわゆる“お坊ちゃん”といわれる家系ですが、小さなころから一般家庭との生活レベルの違いを感じていたのでしょうか。
「小学校は地元の公立校でしたが、中学から私立で、大学も似たり寄ったりな人が多かったのであまりわかりませんでした。逆に社会に出てから患者さんから借金のせいで医療費がまともに払えないと聞いたときに、格差を感じてしまいました」
医師でありながら起業するという葛藤
現在は社長業とともに、非常勤で医師として病院勤務をしています。気になるその時給は1万円! さすがです。ところでなぜ起業しようと思ったのでしょうか。
「日本は高齢化で医療費が膨らんでいるので、ひっ迫する医療財政をITで最適化させたいと大学時代から考えていました。けれど起業したくても医者の決まったレールを外れてしまう怖さがあったんですよ」
それでも足を踏み出せたのは、「自分のアイデンティティが医師であることだとわかったから」と石川さんは語ります。
「僕が診察する日に合わせて来院する患者さんがいてくれたときに、自分は医者だと実感できました。そしたら自分の拠り所が定まって、病院から離れても医者でいられると思えたんですよね」