「カミングアウトすべき?」宗教の2世信者の婚活事情は、激怒されることも
婚活では、相手の見た目や年齢、仕事といったスペック以外にも親のことや育った家庭環境なども重視されがち。気が合うと思っていた相手でも、親の性格や仕事、趣味趣向、実家や親せきの状況などを知った途端に交際や結婚の話が進まなくなってしまったケースも少なくない。
そんななか、非正規雇用者のサポートや障がい者の婚活を中心的に取り組んできた特定非営利活動法人 結婚相談NPO「ブライダルサポーター」は2021年12月から宗教2世、3世の婚活支援をスタートさせた。
スタッフの飯山さんに自身の経験談を聞いた前回の記事に続き、今回は代表である影山頼央さんに、宗教2世の婚活の実情について尋ねた。
宗教を記載しない自由が認められている
影山さんによると、宗教2世の婚活にはさまざまなハードルがつきまとう。実際に結婚相談NPOにはさまざまな悩みが寄せられているが、多くが「相手に伝えるべきか?」という問題だ。
「婚活業界がコンプライアンスを強化する方向に進んでおり、センシティブ情報にあたる宗教欄がプロフィール欄から削除されることになりました。そのため同じ宗教、宗派の人を探していたとしてもマッチングが難しくなりましたし、宗教2世の事実を隠して婚活している人もとても増えたと思います。
サポートをしている中で突然カミングアウトされることも少なくありません。現状だとプロフィールに宗教について書かない自由が認められているので大抵の方は書いていませんが、自分自身が信心深い人であればあえて書く人もいます。婚活する上で宗教2世であることをどう捉えるかは当事者それぞれという状況です」
カミングアウトして激怒されることも
最初は宗教2世であることを伝えていなかったとしても、相手との結婚を真剣に考えれば考えるほど「いつカミングアウトすべきだろうか」と悩む当事者も多いという。また自身は宗教とは距離を置きたいのに宗教2世としてのレッテルを貼られる悔しさを吐露する人も。
実際に影山さんのもとにも、
「お見合いで会ってから相手にカミングアウトしたら『事前にプロフィールに書いておけ』と激怒されて断られてしまったことがある」「どのタイミングで相手に伝えるべきなのか? それとも、伝えないという選択もありなのか?」「プロフィール欄に書く必要がないとは言え、やはり書いたほうがいいのか?」
といった相談が寄せられているという。