社長の愛人へのお手当振込まで社員の仕事。ゲーム会社の銭ゲバ社長
「新卒で入社した会社から、憧れのゲーム会社に転職する前に、ゲーム基盤の会社で業界のことを知っておこうと転職しました」
2年前に憧れだったゲーム業界への第一歩を踏み出した、江口美恵さん(仮名・29歳)。
しかし、転職先の会社の50代社長はとんでもないモンスターだったそうです。金儲けに取り憑かれた社長の様子をリアルに語ってくれました。
与えられたのはゲームと無関係な編集仕事
「先代がゲームの基盤で大儲けをした会社の2代目社長は、とにかく人脈を作って、儲けの中心になりたい人物。営業職で入社し、編集など興味もなければ、経験したこともない私に、なぜか『TOKU(仮)』という小冊子の制作を命じたのです。
周囲には編集経験者は誰もいなかったので、編集ハンドブックで勉強したり、中学の同級生で編集者になっている男性に連絡したりして、なんとかやっと創刊号を作ったんです」
ところが編集の素人の江口さんが必死に作った小冊子に「儲かるような人が誰もいない!」と社長は激怒したそうです。小冊子の目的が、社長とビジネスパートナーを組める候補を探すことにあったと、創刊して初めて知った江口さん。
「社長は烈火のごとく怒っていたのですが、そこを中途入社したコンサル担当の30代の男性Iさんがなだめてくれたおかげで、その場はやっと収まりました。その後Iさんも小冊子の企画を手伝ってくれることになったので、ほっとしましたが、それも束の間でした」
夜中、モンスター社長からまさかのLINEが
その夜、江口さんが帰宅すると、社長からLINEで「『TOKU』に、こんな人を掲載したいから明日の朝まで調べて、夕方までにIさんと作戦を練るように!」との命令が。
「慣れない編集作業を終電までやり、やっと自宅でくつろごうとしていたのに! 徹夜も覚悟したので困り果てて、IさんにLINEすると『大丈夫だから。今日はもう寝てください』と返事が来ました。Iさんが神様のように思えた瞬間でしたね」
翌日Iさんが社長に「このクラスの人たちを集めるとなると、いろいろ予算がかかります。まず紹介してもらうには政治家先生につないでもらうことになりますが、少ない紹介料だと先生たちも承諾しませんよ」と、きな臭い話をし、ケチな社長のやる気を削いでくれたらしいです。
しかし、江口さんがほっとして帰宅したのもつかの間……。