「ワクチン打たなきゃ働かせない」増えるワクチンハラスメントから身を守る対処法
「ワクハラ」という言葉を聞いたことはありますか? 新型コロナウイルスのワクチン接種を強要するハラスメントです。ワクチンを接種しないと働かせないなど、副反応を恐れて接種を保留している人や接種しない人に向けられるワクハラは、コロナ禍における社会問題となっています。
本記事では、ハラスメント専門家の筆者(村嵜要)が、職場でワクハラ被害に遭った場合の対処法と、ワクハラと呼ばれないアドバイスをお伝えします。
2021年5月に日本弁護士連合会が実施した「新型コロナウイルス・ワクチン予防接種に係る人権・差別問題ホットライン」に寄せられた相談の実施結果概要によると2日間でワクハラに関する相談が208件あったと報じられています。ワクハラ被害の具体的な相談内容の一例を見ていきます。
ワクハラ被害の具体的な相談内容
【看護学生】
「ワクチン接種をしないと実習を受けさせない(そのため単位を与えられない)などと言われて、強制されている」(同種相談7件)
【医療関係者】
「職場でワクチン接種の有無が公開されることにより、強制されている。ワクチンを『受ける』『受けない』にチェックする表が張り出されている。『受けない』にチェックできる空気ではない」
医療関係者のワクハラ被害が目立っています。人の命を守る使命で日々お仕事をされている人たちなので、一般企業よりもその特色が強い傾向にあると考えられます。
若い世代が「ワクチンを打ちたくない理由」
国立精神・神経医療研究センターらが行った「新型コロナウイルスワクチン忌避者」調査によると、複数回答で「副反応が心配だから」(73.9%)、「あまり効果があると思わないから」(19.4%)などとなっており、副反応が心配でワクチンを打ちたくない人が多いことがわかります。
さらに「ワクチンを打ちたくない」と回答した年代ごとの割合は、15歳から39歳までの若い世代がおよそ15%、65歳から79歳までの高齢者がおよそ6%で、若い世代のほうが2倍以上多かったことがわかりました。