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開会式、猛暑、選手村のギョーザ…東京五輪をアメリカはどう報じたか

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 57年ぶりの「東京オリンピック(五輪)」が始まっている。コロナ禍のために1年延期し、会場は無観客という状況のなか、2021年7月23日に開会式が無事行なわれ、大会が進行中だ。国内のテレビやスポーツ紙などはオリンピック報道一色だが、アメリカのメディア、アメリカ人は五輪をどう見ているのか?

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リオ五輪の閉会式にも登場したバッハ会長(代表撮影:雑誌協会)

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開会式の視聴者数は過去33年で最下位

「IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長の13分間スピーチは長すぎる」と日本で不評だった。

 五輪の独占放映権を持つ大手メディア「NBC(National Broadcasting Company)」が開会式を放送した際、早朝の実況生中継では、バッハ会長のスピーチをそのまま放送した。

 しかし、夜の再放送では大会組織委員会・橋本聖子会長のスピーチは放送せず、バッハ会長のスピーチも5分間に短縮して放送していた。「視聴者がチャンネルを変えないように」というNBCテレビの懸念と戦略があったのだろう。

 開会式の視聴者数は例年と比べ激減し、1670万人だった(NBCユニバーサル/NBCUniversal調査)。NBC Olympics.com とNBCスポーツアプリなどのプラットフォームすべてを含む視聴者は1700万人で、この数字は、2016年リオデジャネイロ五輪開会式の視聴者2650万人と比べると37%減、2012年ロンドン五輪開会式の視聴者4070万人と比べると59%減。1988年ソウル五輪以来、過去33年で最下位となってしまった

開会式を観た一般視聴者の感想は?

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開会式で印象的だったドローンのパフォーマンス(代表撮影:雑誌協会)

 カリフォルニア州サンタバーバラでワイナリー「マージェラム・ワイン・カンパニー(Margerum Wine Company)」を営むダグラス・バーデン・マージュラム氏は「花の美しさが感じられる日本らしい演出や夜空に浮かんだドローンのショーが素晴らしかった。大坂なおみ選手が聖火点灯したのは感慨深かった」と語る。

 カリフォルニア州ロサンゼルス在住スペイン人作家のアルムデナ・ソラナ氏は「歌舞伎とジャズのショーが和洋折衷でよかった。1824台のドローンのショーも素晴らしかった」と話す。

 カリフォルニア州レドンドビーチでシーフードマーケット「クオリティ・シーフード(Quality Seafood)」を営むジェフ・ジョーンズ氏は「色々な要素が混ざっていて創造的だった。ピクトグラムも楽しく観たけど、特に感動したのは、日本的な音楽と踊り」と言う。

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まだマシだった?開会式のピクトグラム(代表撮影:雑誌協会)

 カリフォルニア州サンディエゴにあるロースター兼カフェ「セブン・シーズ・ロースティング・カンパニー(Seven Seas Roasting Co.)」のCEO(最高経営責任者)のエリック・ダブス氏は「1824台のドローンで地球の形にディスプレイしたショーが気に入った」と答える。

 フロリダ州マイアミ発アパレルブランド「シー・スター・ビーチウエア(Sea Star Beachwear)」のCEO(最高経営責任者)のリビー・フィッツジェラルド氏は「開会式で弊社のシューズを履いて出場したイギリス領ヴァージン諸島チームがいた関係もあり、各国チームの衣装が楽しめる入場行進を見るのが面白かった」と明かす。

 ソーシャルメディア「Twitter」での反応を見てみると、「2020年東京五輪で、1800のドローンが光る地球儀を形作り始めている」と書いたendrikxjpさん(@Hendrikxjp、フォロワー数46人)の投稿に7136人の「いいね」がついている。その返信欄には「たった5分足らずのこれだけが開会式で最高に面白かったこと」ともあった。

 Meep@tracycheong3さん(@tracycheong3)は、「ピクトグラムが最高だった」とピクトグラムの演技が映っている画像とともに投稿している。

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