意外と難しい体幹の運動に…マット1枚でできる「ハイブリッド体幹トレ」
ダイエットや身体機能改善に「体幹が重要」は今や常識的な情報になりつつあります。今回は正しい体幹部の知識と手軽で効率的な体幹トレーニングをご紹介していきます。
「体幹=腹筋」ではない!
スポーツジムのお客様の入会理由を伺うと、以前は「ダイエットしたい!」「運動不足解消!」など、どちらかといえば“抽象的でざっくり全体的に”なものが多かったです。
しかし、最近は「私の体幹の弱さを改善したいから」「体感をもっと強くしたいから」など体幹部に集中した案件が増加しました。それほど体幹部に対する意識と注目度が高まっているといえます。
ただ、その先の質問の大多数が「体幹部を鍛えたいから『腹筋増強トレーニングメニュー』を教えてください!」で、体幹=腹筋といったイメージも強くあるようです。実はこれが大きな落とし穴になります。
体幹を腹筋と表現されない理由は、体幹が腹筋だけではないからです。体の根幹部を指す、体幹。腹筋だけでなく側腹部や腰背部、もっといえば胸や背中など「腕/脚/首より上以外」の残された部分は全て体幹部と呼びます。そのため、体幹を鍛えるという事は腹筋だけでなく、背筋や胸筋などもバランスよくチャレンジする必要があります。
腹筋&背筋を効率よく鍛える「ハイブリッドダイアゴナル」
体幹部を鍛える上でまず初めにチャレンジして欲しいことは、体の前面と背面をバランスよく鍛えること。細かな筋肉は意識をせず、前と後ろを筋肉を大まかに意識して同じほどの負荷を同じぐらいの回数をこなし、バランスを取ることでしょう。
そこで今回は1つのエクササイズで前後面を鍛えられるハイブリッドダイアゴナルを紹介しましょう。
【ハイブリッドダイアゴナル】
①:仰向けに寝ます
②:右腕と左脚を床に向かって全力で押しつけます
③:②の状態を緩ませないようにしながら、左腕と右脚を床から離します。この時、上げる腕と脚はなるべく高く挙げましょう
④:③の状態を10秒間キープしたら、左右のセットを変えて繰り返します(※左右5セットずつ/1日)
床に押し付けている「右腕/左脚」で背筋を使い続け、その間に「左腕/右脚」を床から持ち上げることで腹筋を鍛えます。背筋に力を入れたまま腹筋を動かすことは字面だととても簡単に表現していますが、実際のところは使い慣れていないと動きが複雑で難しいですし、筋肉が弱いとビクともしません。
まずは少しずつ動かし、継続していくことで最終的には床から離す側のコンビが写真のように体の前で肘と膝がタッチできるぐらいまで頑張ってみましょう。ちなみに、このエクササイズは腹筋も背筋も襷掛け状に鍛えられるため、必ず反対セットも行うようにしてください。
<TEXT/柔道整復師・パーソナルトレーナー ヒラガコージ>