就職先は平均40歳オーバー!唯一の新入社員が「どん底職場」で再起できた訳
新卒入社で感じる不安のなかでも、毎年トップクラスにランクインするのが「入社後の人間関係」です。年齢の近い同期や先輩がいない職場だと、その後も働き続けられるかどうかを左右する、大きな不安材料になります。
地方の専門商社の営業マンの河野翼さん(仮名・25歳)も、入社直後が人間関係の最底辺だったと語ります。上京して東京の大学に入学した河野さんは、卒業後も都内の企業で働くことを希望していました。しかし、卒業に必要な単位がほとんど取れておらず、4年生になっても授業に出席しなければなりませんでした。
ハローワーク経由で入社
結果、就活に失敗。なんとか卒業した後は、地方の実家に戻りました。
「僕の地元は人口1万人程度の田舎なので、有名な就活サイトに求人を出している会社はありませんでした。それでもなんとか仕事を探さないといけないので、ハローワークを利用することに。窓口に行ったときの担当者が友達の母親だったので、恥ずかしかったです(笑)。田舎なので他人の目も気になるし、正直、焦っていたと思います」
実家から車で10分程度の場所にある、従業員20人程度の専門商社に採用されたのは5月頃。内定をもらってすぐに働き始めました。
「東京と比べると、とんでもなく給料は安かったのが少し不満でしたが、創業から50年以上経っているので安定はしているだろうとは思っていました。ただ、今考えると、もっと見ておくべき求人票の項目がありましたね」
1つ上の先輩の年齢は32歳
面接でも「久しぶりの新卒社員」と告げられていた河野さんですが、入社してすぐにその意味が分かったといいます。
「僕以外は役職付きか、パートの事務職しかいない環境でした。直近の先輩は32歳でしたが、他の営業所にいるので、話せる機会はほとんどありません。もし東京で就職していたら同い年や年が近い先輩社員と話せると思っていただけに、ギャップは大きかったです」
仕事のやりとりはともかく、一番つらかったのは休憩時間や飲み会。昼休憩は会議室に集まって食べるのが恒例だそうですが、年上の社員の会話を聞きながら黙々とご飯を食べるのに耐え切れず、車の中で食べていたとのこと。
「基本的に40歳以上の方々ばかりなので、子どもとか、年金とか、体調の話とか本当に付いていけなかったですよね。話題を振ってもらっても『わからないですね』とか『そうなんですね』ばかりで……。便所飯ならぬ、車飯を1年くらい続けていました」