感染症に負けない「強いカラダ」を作る。カギは地元の発酵食品
冬が本格化する中、気温低下と乾燥によってウイルス感染の流行が一段と盛んになります。今冬は新型感染症の流行で例年よりも予防に対しての意識が高くなっていますが、それでも体自体が弱っているとバリアーできないこともあります。
今回は免疫力を高めるためのアイディアを運動と食事の面でお話ししてきます。
免疫力アップには抵抗トレ
運動自体が免疫力アップにつながることは知れ渡っているでしょうが、具体的にどんなものが良いのかを知っている人は少ないはず。運動の中でも免疫力を高めるのは「抵抗運動」です。
人間の身体は血液成分の白血球が血中で働く事で、体内に異質な細菌やウイルスが侵入しても、すぐに体調を崩さないようにしています。この白血球を増やすためには適度な運動が良いとされていますが、ポイントは物理的に重量感のある負荷が掛かった状態で運動することです。
適度な負荷がかかることで筋肉や骨に刺激が加わり、これによって造血している骨髄が刺激されて、白血球の生成量が増加します。近年、「自体重」で手軽にできるトレーニングが流行していますが、免疫力を高めることに限ってはトレーニングマシンやチューブなど負荷のかかった環境で行うことがベストです。
ジムなどのマシンを扱う場合、ウエイトは筋肉量増強のために行うレベルに対して3~5割程度でいいでしょう。強い負荷をかけるよりも適当な負荷を長く緩くかけ続け、筋肉と骨に刺激を与え続けることが重要です。
やっぱりイイ「発酵食品」
免疫力アップに良い食べ物の代表として発酵食品をおすすめします。これはよく知られている情報だとは思いますが、その理由がとても興味深いものです。
発酵食品はその土地、その場所に存在する微生物の作用によって変性した食べ物です。私たちの腸内に存在する善玉菌が作用することで免疫力がアップしますが、それを助けるために、微生物の作用で完成した発酵食品を摂ることが腸内環境をより良いものにします。
特に重要なのは生まれ育った環境で食べ慣れている発酵食品を摂ること。例えば味噌の風味は東西で異なりますが、これもその土地で含まれる微生物も違うためです。私たちは子供の頃から両親などの家庭環境に影響されて食生活が形成されます。
これに合わせて食べ慣れたものによって腸内で活躍する菌も異なっていますから、自分の故郷や子供の頃から食べ慣れている「菌」を選んで食べることで、腸内環境が整いやすくなります。数値や情報だけでなく、自分の体にあった菌を選ぶことも重要でしょう。
この冬は運動と食事をうまく扱って、元気な体で乗り切ってください。
<TEXT/柔道整復師・パーソナルトレーナー ヒラガコージ>