部下の手柄を「上司が横取り」。裏切られた男性の復讐劇とは?
正社員として採用される場合、そのほとんどは新卒入社や転職を問わず、即本採用というわけではありません。3か月程度の試用期間を経て、正社員にふさわいい人材だと会社が判断すれば本採用に移行されます。
もちろん、ちゃんと仕事に取り組んでさえいれば、心配する必要はないはずです。しかし、なかには理不尽な理由で本採用されなかった人もいます。
聞いていた話と違う「飛び込み営業」
「新規契約の獲得という結果を出したにもかかわらず、『総合的な判断』と言われて本採用には至りませんでした。まさか自分のことだとは思わなかったので、『ほかの方と間違われていませんか?』と聞き返したほとです」
そう話すのは、田端佑都さん(仮名・33歳)。今から4年前に父親が倒れ、一人っ子だった彼は当時勤めていた都内の業務機器メーカーを退社。実家に戻り、地元の特殊鋼メーカーに転職します。
「営業職としての採用で、面接時にはルート営業と聞いていたのに、入社後に命じられたのは新規販路の開拓。同じ営業でも聞いていた業務内容と違ったので、正直困惑しました」
地方ゆえに、仮に辞めたとしても次の仕事がすぐ見つかるとは限りません。田端さんは仕方なく、特殊鋼メーカーに入社します。
入社2か月目には新規契約を獲得
しかし、彼は幸いなことに前の職場でも営業担当で、飛び込み営業の経験がありました。前職では部署内トップの成績を収めたこともあり「契約を何本も取って、会社に自分の価値を認めさせたい」と逆にモチベーションになったといいます。
入社1か月目は、1本も契約が取れませんでしたが2か月目と3か月目には2社ずつ、計4社と契約を結ぶことに成功。
いずれも小さな工場ばかりでしたが、田端さんの会社も田舎の中小企業。定期的に納品できれば業績アップが見込めるほどでした。