異端児だった姉がシングルマザーに…“優等生”の弟が焦る理由
容貌や性格を両親からそっくり受け継いだような子供がいる一方で、血のつながりを疑うほど似ずに育った子供もいるようです。
今回お話を聞いた笹本直樹さん(仮名・27歳)は前者のタイプで、姉の麻美さん(仮名・29歳)は後者だそうです。特に麻美さんの「親と似ていない」ぶりは、周囲の人から驚かれるほどなのだとか。
非常に対照的な姉と弟
「父親が教師で、母親は公務員です。父方の家系は法曹関係の仕事をしている人間が多く、母方の家系は公務員ばかりです。お堅いお家柄と言えるのではないでしょうか」
直樹さん自身も親戚が経営する司法書士事務所に勤めています。
「その中において姉はかなり異端児で、いわゆる自由人です。1年間近く何の音沙汰もなしに家を開けるのもザラでした。突然ボロボロの格好で帰ってきたこともあり、どこに行っていたのか聞いてみると、サラっと『北米大陸と南米大陸を縦断していた』と言いってのけました……」
麻美さんは中学生のころには頻繁に家出を繰り返すようになります。とはいえ不良生徒というわけではなく、誰がなんと言おうと自分の道を突き進むような行動力に満ち溢れたタイプだったとか。
除け者の姉と尊重される弟
「姉が学校で問題を起こすたびに、母は『なんであんな子がうちの家系から生まれてきたんだろう。出てくる家を間違えたんじゃないか』と呆れていたのを覚えています」
直樹さんは、そんな麻美さんのことをどう思っていたのでしょうか。
「母に同情する部分もありましたが、正直憧れもありましたね。姉と仲の良いやんちゃな先輩たちから可愛がってもらえたり、同級生たちからも一目置かれることも多々あって、『あんな風に生きられたら楽しいだろうなあ』とぼんやり思っていました」
自らに被害が及ぶことがなかったせいもあって、両親が麻美さんを注意する時も、弟として擁護に回っていました。その一方で、期待に応え順調な道を歩む直樹さんは常に家族から大事にされて育ってきたようです。