ネットの噂は超ブラック企業。入社したら実は…中卒女子の実体験
「ブラックと悪名高い企業ですが、インセンティブが高額というところに魅力を感じました」
そう語るのは吉野瑠衣さん(仮名・22)。北海道出身の吉野さんは高校中退をして、実家が経営する店を手伝っていましたが、両親が相次いで病気で倒れてしまい、治療代を稼ぐために上京。
「学歴のない私が稼げる就職先は、ブラック企業。ここでダメならキャバ嬢にでもなる覚悟で上京しました」
ネット上での噂は「1日電話1000件のブラック企業」
その会社の業務は、インターネットの回線営業がメイン。
「事前にネットで調べたところ、1日に1000件以上電話をし、アポイントは10件がノルマ。電話機を取る左手にガムテープがまかれ、『アポイント取れるまで受話器を置くな!』と命令されるような社風と書いてありました」
さらに休憩時間には腕立て伏せ10回のノルマがあり、トイレに1日3回以上行くだけで「さぼっている」と上から注意されるとも。
それでも両親の医療費のために、勇気を振り絞って、「いざゆかん」と出勤した吉野さん。ところが、地獄のブラック企業は、予想外のパラダイスだったそうです。
入ってみたら、全然違う社風になっていた
「IT化が進み、電話でのアポイント業務がなくなり、ネット注文が自動で入るようなシステムになっていました。パソコンの使い方も、新人教育のマネージャーが丁寧に教えてくれました」
もともとパソコンが苦手だった吉野さん。しかし、職場で熱心に教えてもらったおかげで、「部署で一番メールを打つのが早い」と言われるほど上達したそうです。
「ネット注文をしてくれた顧客を、後日、商品説明のために訪問すると喜ばれます。もともと実家の店を手伝っていたので、接客は好きでした。お客さんと話し込んだり、話が弾んだりすると、受注もできて売上アップ。無理しなくても、すぐにノルマ達成できたんです」
もともとの営業能力が見込まれると、さらにマネージャーがワンランク上の営業ノウハウを吉野さんに伝授。またもや売上がアップして、1年未満で、インセンティブをとれるようになったそうです。