ウソで塗り固めた「一流人材」が、我が社の面接にやってきた
就職や転職の面接は“自分という商品”を売り込む場。キャリアやスキルを活かし、いかに会社に貢献できるかをアピールしなければなりません。
リクルートワークス研究所の調査によると、2019年卒の求人倍率は一般的に売り手市場と言われる「1.88倍」。
しかし、業界別に見ると「製造」の求人倍率は2倍、「建設」は10倍、「流通」は13倍と、学生に対して募集が多い一方、「金融」は0.2倍、「サービス・情報」は0.5倍と、依然として狭き門であることに変わりないのです。
採用されたい一心で自分をよく見せようと話を盛ってしまうことは珍しくありませんが、なかには経歴すべてをウソで塗り固めている人もいるようです。
「優秀そう…」第一印象は良かった求職者
「本当だったのは、氏名と年齢、など最低限のプロフィールくらい。学歴や職歴、資格はデタラメで完全な経歴詐称でした(笑)」
そう振り返るのは、地方のハウジングメーカーで営業課長を務める武田陽平さん(仮名・36歳)。
問題の人物は、中途採用の募集に応募してきた当時20代後半の男性。紺のスーツにはシワひとつなく、身だしなみもきちんとしており、第一印象はヤリ手営業マンのようで非常に良かったといいます。
「こちらの質問に対してもちゃんと目を見てハッキリと答えていましたし、知りたいことを簡潔に述べていました。内心、久々にいい人材が来たと思ったほどです」
「ドラフト1位級の人材が来た!」
ただし、男性の経歴について気になった点もあったとか。
「学歴、職歴ともに良すぎたんです。出身高校は県内でも1、2を争う公立の進学校で、大学は東京にある難関私大。はっきり言って私をはじめ、社内のほとんどの人間よりも学歴的には上でした」
職歴も外資系保険会社やコンサルティング会社で数年ずつ勤務したとあり、超有名企業の案件をしたなどスケールの大きな話がいくつも書かれていたそう。
男性も自分がどんな仕事をしてきたかを自信たっぷりに話し、その様子に竹田さんも「ドラフト1位級の人材が来た!」と喜んだほどです。