「転職サイト」20代に最も支持されているのは? リアルな利用動向から判定
主要な5サイトのユーザー属性は?
職業はどのサイトも一般社員が50%近くですが、管理職だと「BIZ REACH」だけが12%の2桁。公務員や団体職員・教員も「BIZ REACH」が多いようです。いずれも退職後の活動ではなく、働きながら次の仕事を模索中ということでしょう。
反対に学生は「Vokers」だけが10%で、転職活動ではないけれど就活先の情報収集に活用しているものと見られます。派遣社員やパート・アルバイトといった非正規雇用ユーザーは「リクナビNEXT」「doda」「エン転職」が比較的多いようです。
ちょっと前まで転職は35歳までが勝負といわれたものですが、人生100年時代を見据えて長期間働くひとが増えた影響か、50代以上のユーザーも各サイト2割程度を占めます。特に「BIZ REACH」は40代以上が半数以上で、比較的年齢層が高め。ほかの4サイトはいずれも20代が最多で、20代ユーザー1位は僅差で「エン転職」。いずれも年代と反比例してユーザー数が減る傾向です。
転職で年収アップ時代。ユーザーの懐事情は?
人材不足の折、「転職で年収アップ」という、ちょっと前には考えづらかった成功談が増えているとの噂。前出の某IT社長によると、特にエージェント仲介の場合、「前職の1割アップ」での成約が主流だそうです。転職活動ユーザーの懐事情はどうでしょうか?
直近1年間の主要転職サイトユーザーの個人年収を1年前と比べると、どのサイトもおおむね年収が上がっています……! 特に「Vokers」「BIZ REACH」は1000万円以上のユーザーが2%も増えていました。
高年収ユーザーの転職意欲が上がっているのか、転職成功でサイトを使わなくなったユーザーの年収が低かったのかは定かでありませんが、転職活動ユーザー全体の平均年収が上がっているのは事実のよう。
40代以上のミドルクラス求人市場の盛りあがりが年収を押しあげているかと思いきや、主要5サイトに関しては1年前と大きな年代層の変化がなく、むしろ比較的年収の低い20代ユーザーが100万人ほど減っているのが要因かも。
いずれにせよ、本気で採用したい企業にとって、より競争力のある採用条件提示を迫られる状況には違いなさそうです。
検索キーワードで見る、転職・就職の関心事
働き方改革が叫ばれるなか、筆者もそのひとりですが、正社員だけが転職の選択肢ではないかもしれません。アルバイトやクラウドソーシングを含む仕事探し市場の関心はどこへ向いているのでしょうか。
転職・就職カテゴリのサイトに流入した検索キーワードで見ると、やはり「ビズリーチ」は突き抜けて年収が高め。「Vokers」同様に口コミが人気の「転職会議」も個人年収500万円弱のアラフォーユーザーに使われています。
今回取りあげた主要転職サイト名のほか、派遣中心の「スタッフサービス」「リクルートスタッフィング」「フルキャスト」、アルバイトも含む「インディード」「INDEED」も40代前後で上位。
クラウドソーシングは「クラウドワークス」が個人年収200万円強の層、「ランサーズ」は400万円強の層に支持されているようで、類似サービスでもユーザー層が異なります。最近許容されるようになった会社員の副業探しかもしれません。
平均年齢が35~45歳のキーワードで「履歴書」や「職務経歴書」「退職届」が多いのは、初めての転職でしょうか。
平均年齢が50歳オーバーなのに平均年収も200万円に届かないキーワード「履歴書 フォーマット」はちょっと気になるところ。できればもう少し早い時期に調べておきたい、そうしたら年収ももうちょっと高かったような気がします。が、人手不足の折で専業主婦などの潜在労働力が働き始めたのであれば、歓迎すべき事態かもしれません。