副業をはじめる時に「収入」よりも重視すべきもの
副業でどのくらい稼げるのか?
副業は、当然収入の増加をもたらします。全国就業実態パネル調査によれば、2016年の副業の平均収入額は、全体で45.3万円です。月収換算すれば、単純に毎月約3万~4万円程の収入の増加が見込めることになります。
副業の収入金額の構成を見ると、副業での稼ぎが年間100万円未満が最も多く約90%、100万円以上を副業で稼ぐことができている者が残り約10%です。
それでは、100万円以上を稼ぐことができるのは、どのようなタイプでしょうか。まず、単純に労働時間を長く副業に割くほど稼げます。しかし、それでは長期で副業を続けることは肉体的に厳しくなってくるでしょう。
ここで、属性別の副業年収を見てみると、非正規雇用よりも正規雇用、かつ、年齢が上がるほど収入が増える傾向にあります。年齢が高く正規雇用のほうが、より高度なスキルや経験、人的ネットワークを有している可能性が高いと考えられます。従って、副業でより多く稼ぐためには、スキルや人脈が重要な要素と言えそうです。
「スキル」「人脈」「収入」どれを重視すべき?
副業を始めるにあたり、最初は金額が少なくても、スキルの向上や人脈拡大につながる仕事を選択するべきです。
例えば、本業で経理業務をしている人であれば、データ入力や分析業務、広報部門の人であれば営業代行など、本業と少し違う内容が良いかもしれません。自分では、そこそこエクセルやパワーポイントが使えると思っていても、案外、お金をもらえるレベルのものを作れる方は多くはないはずです。
また、広報は社内調整が中心となり、社外の率直な意見を聞く機会が、実は少ないかもしれません。プログラマーであれば、本業と違うジャンルの開発業務に従事するなども、スキルや人脈を広げるにはいい機会です。その他、趣味でやっている活動も、副業として本格的に腕を磨くのもいいでしょう。
自分のスキルや人材価値が上がれば、自ずと副業収入が後からついてくるはずです。
逆に、単なる時間の切り売りにしかならず、スキルや人脈拡大に繋がらないものは、短期的にはお金は稼げますが、長期的な収入増加に繋がりません。例えば、ネットを通じた単発の内職依頼などは、スキルや経験の蓄積がない上に、委託元の顔も見えないため、次の仕事に繋がりづらいのではないかと思います。
<TEXT/KT Total A&C firm>