「就活ルール廃止」が一転、存続へ。結局どっちがメリットあるの?
「青田買い」は企業側にとってハイリスク
とはいえ、企業側にとって、堂々と採用活動を前倒しできるのは、メリットではないのでしょうか?
「採用活動の前倒しは、企業にとっても地獄のような状況でした。理由は2つあり、1つ目は『2年生で採用した学生を入社まで繋ぎとめられない』ということ。早く採用しても、優秀な人材は人気企業にどんどん流出してしまいます。
2つ目は『2年間で景気が変わり、新入社員が必要なくなってしまう可能性がある』ことです。仮に景気が悪くなり、リストラをした場合、その年は新入社員を入社させられなくなってしまいます。
『リストラしたのに、なぜ新入社員を入れるのか?』と、解雇された人に訴訟されたら、裁判で負けてしまいます。人員計画が拘束されてしまうので、企業にとって大きなデメリットなのです」
「他社流出者を再採用する」パスポートまで
では、就活ルールが廃止されたからといって「1年生が企業に青田買いされる」ということは考えにくいということですね。
「1年生で採用したとしても、入社までにほとんどが他社に流出してしまうでしょう。現在でも早期採用をしているビジネスソフト大手では、内定者に対して『内定後5年以内は、他社に入社しても弊社に戻って来られます』というパスポートを発行したりして、他社流出者を再採用しようとしている。それくらい、早期採用後の流出は多いのです」
あまりに極端な「青田買い」は企業・学生双方にとって非効率的なため、現実的ではないようです。