リクルート、驚きの給与システム「結果より“Will=意志”に先払いする」
期待値でいきなり給与が上がる
そして、驚くべきは、難易度の高い仕事を社員に任せた場合「先に給与を上げる」点です。
一般的には、難しい仕事を任せた場合でも給与は据え置きで、結果を残せばアップすることはよくあります。しかし、「Will」を重視するリクルートでは、まずは「期待値」で給与がアップするのです。
面談で社員が「私がこの仕事を絶対やりたいんです」と言い、上司も「君にぜひやってもらいたいんだ」というすり合わせが行われた場合、ちょっと背伸びした仕事を任せることもあり得ます。
リクルートでは、社員に期待しているからこそ、仕事とそれに見合った給与を先に約束することが、その社員の能力を開花させると考えています。
「難易度と報酬」が連動して社員が成長する
なぜなら、給与という目に見える形での評価が、社員のモチベーションを上げるのに効果的で、パフォーマンス向上につながりやすいからです。そして、機会と報酬を連動させるからこそ、社員も次々と新しい仕事にチャレンジする意欲が沸きます。
ただし、身の丈以上の仕事を与えるからこそ、目標に到達しないケースは起きます。
その際は、次に任せられる仕事は難易度の低いものとなり、給与も下がります。あくまで「難易度と報酬」は連動しているからこそ、社員が成長するのです。
個人の能力が先にあって給与が決まるのか、先に給与を上げて能力を開花させるのか。能力開発を考えるうえで、極めて重要、かつ難しい問題といえます。
しかし、給与を未来への「投資」と捉えるリクルートの考え方は、今の日本企業のあり方に一石を投じているといえるでしょう。
<TEXT/bizSPA!取材班>
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