英国No.1クラフトビール「BREWDOG」。炎上すれすれの奇抜なマーケティングとは
リスの剥製を使ったビールや海底醸造IPAは大きな話題に
マーケティングだけではない。規格外の商品開発も度胆を抜くほどインパクトが強い。
2010年に発売した史上最高度数のビール「THE END OF HISRORY(歴史の終わり)」は、“ビールと芸術の結婚”というコンセプトのもと、車にひかれたリスの死骸をパッケージ化。
さらに2011年には「PUNK IPA」を海底で熟成させ、史上初の海底醸造IPA「Sunk Punk」を発売。
まさにクラフトビール界の異端児として、一世を風靡してきたのだ。
「会社として成長するにつれ、従業員も増えてくると、雇用を守る必要性が出てきます。パンク精神を意識したマーケティングの考え方は根底に置きつつ、近年ではリスクを伴う施策よりも、マス層に刺さるマーケティングを行うようになりました」
看板商品「PUNK IPA」のレシピをネット上に公開
そんなBREWDOGを支える看板商品が「PUNK IPA」である。
現在では売り上げの半分以上を占めるフレーバーとなっているが、「大手メーカーでは絶対に作れない、採算度外視で作ったIPAで、その時代に合わせて味のブラッシュアップを続けてきたのが人気の秘訣になっている」と名嘉眞氏は言う。
「実はPUNK IPAのレシピをネット上に公開していて、作ろうと思えばPUNK IPAの味を再現できるようになっているんです。でも裏を返せば、醸造方法や独特の旨さの出し方はそう簡単に真似できないという絶対的な自信があるからこそ、オープンにできる部分もあります。
余談ですが、英国では日本未発売の自宅で作れる『PUNK IPAキット』が売られているんですよ。BREWDOGでは消費者と一緒に商品を作ることを大事にしていて、英国内にある80店舗のオフィシャルバーでは、新商品開発の際にもお客様にヒアリングし、フィードバックをもらうようにしています」