「マクロ組めますよね?」何気ない後輩のLINEが想定外の結果を導いたワケ
マクロ、皆さんは使ったことはありますか? 主にExcelなどの表計算ソフトで何時間もかかっていた作業を自動化する機能のことですが、一見とっつきにくく、知らない人にとっては訳の分からない機能だったりします。
今回はマクロを触ったこともないのに、つい知ったかぶりをしてしまった男性のエピソードを紹介します。知ったかぶりは必ずしも悪いことばかりでもなさそうです。
切っ掛けは些細なこと
「先輩、マクロって使ったことありますか? 最近は色んな技術が次から次へと出てきて、ついていくのがやっとですよ」
そう語るのは、文系出身で広告代理店に勤めていた浩史さん(仮名・31歳)。ある時、後輩から「仕事を抱えすぎて大変だから肩代わりしてくれないか」とLINEで相談を持ちかけられました。
「その後輩は、最近業績もよく、上司からの覚えの良い期待のホープで、内心ライバル視していました。どんな内容の仕事なのかと尋ねると、エクセルを用いてクライアント情報の管理をする仕事なのだそう。どうやらマクロで集計を自動化したり、表示させたりしたいらしいです」
マクロを使わずに徹夜で手打ち作業
“マクロ”という単語は聞いたことはあったものの、実際にマクロを使ったことはなかった浩史さん。そもそも文系で、数字やプログラミング自体に苦手意識があって避けていました。しかし、後輩の手前「知らない」とは言い出せずに、「もちろん使ってるよ。俺に任せろよ」と言ってしまいました。
「後輩から渡されたクライアント情報はかなり細かくて、これらを用途別にソートをかけて表示させたり、カテゴリー別に並べ替えたりさせる作業でした。かなり多岐にわたって細分化されていて、項目ごとに個別の関数が必要だとネットには書いてあるんです。もう何が何だか分からなくて焦る一方でした……」
浩史さんは頭を抱えました。しかし幸い、後輩に相談を受けたのは金曜の昼休み。土日を挟んで月曜日に完成させれば期日には間に合います。そこで、金曜の夜から月曜の朝まで徹夜をし、後輩が必要な形に情報を手作業でまとめ上げました。