プロ入り直後に白血病の診断…病魔と闘うJリーガーに聞く「波乱万丈な半生」
病気が発覚して「安堵した自分もいた」
──結果的に、どんなタイミングで体調が悪いことを打ち明けたのでしょう?
早川:心が折れるギリギリのタイミングでしたね。それまでは、うまくプレーすることができず、周りの選手から「もっとちゃんとやれよ」って言われたり、監督から「高校生みたいな守備をするな」と言われたりしたこともあって。なぜ思うようにプレーできないのかわからなかったので、精神的にも1番苦しかったです。
──病名が診断された時は、どういうお気持ちでしたか?
早川:正直、少し安心していた自分もいました。というのも、今までできていたことが突然できなくなっていく中で「なぜこうなんだろう」と自分を責めてしまうことがあったんですね。だから、原因は病気のせいであって、自分のせいではないとわかったことが救われたんです。
終わりの見えない闘病生活に塞ぐ日々
──安堵したとはいえ、不安な気持ちもあったのではないかと思います。
早川:そうですね。でも、僕以上に周りがショックを受けていた印象です。「大丈夫でしょ」って楽観視していたら、母に「本当にわかってるの?」って怒られたこともあって、周りとの認識の差を感じました。ただ、そうやって前向きに捉えていたからこそ、入院してみてからは落ち込むことが多くありました。
──どういうことで落ち込んでいたんでしょう。
早川:自分は外に出られないのに、周りの人たちがすごく楽しそうに毎日を送っているのをSNSで見てしまって「なんで自分だけ、ずっとベッドの上にいなきゃいけないんだろう」って。それから、いつこの生活が終わるのかがわからなくて、落ち込んでいました。