「セックスが好きなだけ」独身アラサー女子を描いた“異色の漫画”が生まれたワケ<漫画>
細部に工夫を凝らして伝えたかった事
――もともと漫画はよく読んでましたか?
五百田:漫画は大好きです! なので、麻生さんからご提案をいただいたときは、わくわくしました。漫画ならではのテクニック・ギミック・作法があるので、それを新鮮に学んでいる日々です。打ち合わせのたびに「なるほどー!」「勉強になります!」と叫んでいます(笑)。
――主人公のキャラクター造形で意識した点、作画のさかもと麻乃さん、ネーム原作の麻生羽呂さんと話し合ったことは?
五百田:主人公は一見、突飛で、異常で、むしろ狂気的ですらあるかもしれません。読む人が「うわ、こんな人、無理!」と拒絶してしまわないよう、苦心しました。読み進めるうちに「おや? これはとても特殊な“彼女”の物語ではなく、“私自身”の物語だ」と思ってもらえるよう、細部に工夫を凝らしています。そのあたりのバランスは、麻生さんとさかもとさんに、大変助けられています。
異色にして絶妙なコラボを楽しんで
――主人公は女性ですが、男性でもセックスちゃん的な願望を抱くことはあるのでしょうか? 男女の違いはあるのでしょうか?
五百田:周囲と違う自分を責めてしまったり、一般常識に囚われてやりたいことを我慢してしまったり、ということは、男女問わず誰しもあるものでしょう。ジェンダーギャップ指数が116位(146か国中)の現在の日本においては、どちらかというと女性のほうが、そのことで苦しんだり、悩んだり、不利益をこうむったりすることが多いように思います。なのでまずは、現代に生きる女性を応援したい、というのが作品の願いです。
――特に思い入れがある登場人物、あるいは読者に注目してほしいポイントを教えてください。
五百田:ともすると小難しくなりがちなテーマを、最強のエンタメ・メーカーである麻生羽呂さんと、最高にかわいくておしゃれな絵柄のさかもと麻乃さんが、唯一無二の作品にしてくれました。異色にして絶妙なコラボを楽しんでいただければ幸いです。
<取材・文/シルバー井荻>