散々騙されたのに…またインドに行きたくなるワケ「混沌とした雰囲気が恋しい」
外国人窓口を紹介されたら料金10倍に
公共の交通機関である電車は値段は決まっているそうですが、ここにも落とし穴があったといいます。
「外国人旅行者の場合、切符は専用の窓口で買うんですが、大きな駅で切符を買いに行こうとすると、『どこに行く? 切符を買いに行くのか? 今日は外国人窓口は休みだ』と呼び止められるんです。旅のスケジュールがあるので、当然切符が取れないと焦るんですが、『知り合いの旅行代理店なら切符が手に入る』と言われ……。紹介された代理店で購入したところ、10倍近い値段だったんです。本当は窓口が閉まっていなかったことを後で知って愕然としました」
では、声をかけてくるインド人を全て無視すれば良いのではないかと思うのですが、なかなかそうもいかないようで……。
良いインド人もたくさんいるから困る
「全員が詐欺師ならシンプルでわかりやすいんですが、善意で声をかけてくれる人もたくさんいるんです。旅行者はもてなそうとするサービス精神旺盛な人が多く、無料で観光案内を引き受けてくれたり、ただただ日本人と話がしたいと会話してくる人もいます。一時期、声をかけてくる人たちを全て無視していたこともあったんですが、本当に寂しそうな顔をされて、自分がひどく嫌な奴になった気分になりました。途端に旅が味気なくなってしまうんです」
仲良くなったインド人の自宅に招かれ、手料理をご馳走になることもあれば、購入した電車の切符が間違っていると言われてボッタクられる……そんな旅を続けているうちに変化があったそうです。
「だんだんと、どんな人物を信じれば良いか、見極められるようになったんです。トークの内容や顔つきで目的がなんとなくわかるようになりました。物を買おうとしたときに吹っかけられた時も値切れるようになって、現地の人に『値切り方がインド人みたいだ』と言われた時はなんかうれしかったですね」