三菱商事、利益1兆円超えも。「5大総合商社」の“真の勝ち組”はどこか
伊藤忠商事:幅広い事業を展開
2022/3期における伊藤忠商事の主なカンパニー(セグメント)別当期純利益は次の通りです。金属(2260億円)、エネルギー・化学品(896億円)、住生活(1052億円)、情報・金融(1043億円)、機械(800億円)、第8(490億円)。
住生活カンパニーは建材や不動産関連の事業を手掛けており、情報・金融カンパニーはICTや保険事業などを展開しています。なお、第8カンパニーはファミリーマートなどの小売事業を主事業としています。2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。
【伊藤忠商事株式会社(2020/3期~2022/3期)】
収益:10兆9830億円→10兆3626億円→12兆2933億円
営業利益:3994億円→4034億円→5825億円
最終利益:5013億円→4014億円→8203億円
資源以外の事業で損失を補った
2021/3期は三菱商事と同じく、コロナ禍で資源や化成品の需要が減少したことにより収益が減少しました。エネルギー・化学品カンパニーに至っては4,228億円の減収を記録したほか、自動車需要やアパレル需要の減少により、機械カンパニー、繊維カンパニーも減収となっています。
利益面では投資収益の減少により最終利益が約20%の減益となりましたが、伊藤忠テクノソリューションズなどのICT事業の好調や、ほけんの窓口グループ・プリマハムの子会社化が増収に貢献し、営業利益は前年を上回りました。エネルギー・資源関連の不調を他事業が補った形です。
翌2022/3期はコロナ禍からの経済活動の回復で資源及び化成品の取引数・価格がいずれも前年を上回ったことにより、大幅増収となりました。資源価格の高騰がそのまま増益に寄与しています。最終利益は前年の2倍以上となり、過去最高を記録しました。
なお、2023/3期は最終利益8000億円を予想しており、前年と同水準を見込んでいます。