マキタスポーツ、男性中心社会で生きてきた「娘から老害と指摘される日々」
精神の貢献の前に、体の貢献
――本作ではチームの結束力が描かれます。お仕事を続けていくにあたって、マキタさんもチームの大切さを感じることはありますか?
マキタ:僕は一匹狼的なところがある反面、やっぱり仲間と何か作ることの大切さや面白みというのも、すごく感じているんです。でもああせいこうせいって言うのも言われるのも好きじゃない。「だったらひとりでやったほうがいいわ!」というメンタリティだから。なんだけど、やっぱり人と一緒にやることにエモいものも感じてしまうわけです。あと、チームでいうと、精神の貢献の前に、体の貢献だなとは思います。
――体の貢献?
マキタ:いま(取材時)演劇のお仕事をしていて、劇場に入ってくださいという到着時間というのが決まってるんですけど、みんなその30分前に入るんです。なぜかというと、三宅弘城さんって大人計画の方が主演なんですが、三宅さんを中心に、みんなでコアリズムという運動をやるんです。
イニシエーションって結構必要
――コアリズム! 昔、流行りましたね。
マキタ:そう、それ。あれをね、みんなでやるんです。それが苦痛でね。30分後に入ればいいって決められているのに、30分前に入って、みんなでコアリズムやらなくちゃいけない。やだなーって思うんですけど、これがやってみると、毎回「ああ、やってよかったー」となるんです。
イニシエーションって結構必要で、まず体をそこに持って行くと、なんともいえないチーム感ができてくるんです。まあ、そもそも演劇なんて自分の利得のためだけにやってたら、快楽とか達成感は得られないわけで、そういった苦労があってこそなんですよね。
この『MONDAY’S』もそうですよ。最初はそれぞれの利害があるわけですが、難敵として日常ループを象徴する永久部長がいて、それを攻略することで、みんなが一枚岩になって大義を得るわけです。なんかそういう、みんなでとかって、人間らしくて面白いですよね。
<取材・文・撮影/望月ふみ スタイリスト/小林洋治郎(Yolken) ヘアメイク/永瀬多壱(VANITÉS)>