傷つかなくなったが失ったものも…「心の痛みを感じにくくする」治療を受けた結果
大きな挫折感を味わう…
──その後、どうされたのですか?
ミヤギ:映像のプロのもとで学び直そうという思いで、アニメーションを制作している会社に入社しました。
──入社されていかがでしたか?
ミヤギ:思ったよりうまく仕事をこなせなくて、会社の雰囲気が自分に合わなかったこともありすぐにやめてしまいました。
──でも、入社されてすぐの出来事ですよね?まだまだ、伸びしろというか、成長する余地はあると思うのですが。
ミヤギ:今から考えると、そう思います。もう少し続けていれば良かったですが、根性もなかったのでやめてしまいました。会社に所属する他の作家の人たちに比べ、アニメーション制作に対する熱量も足りないような気がして。
──それからどうされたのですか?
ミヤギ:イラストや漫画を描こうと思いました。都内の喫茶店でバイトしながら、作品制作を始めました。
個性が集う店で、世界観の素地を築く
──その喫茶店は有名なお店だったのですか?
ミヤギ:バイト先の喫茶店はたまたま見つけたお店だったのですが、歴史のある有名なお店でした。お客様として来られる人も、かなり個性的でした。映画や音楽、出版関係などの有名な方がよく来店されて驚きました。ほかにも、詩人や占い師など、とにかく個性的な職業の方が常連にいて、興味深かったです。
──それは、なにかネタになるというか、色々なことを学べそうな環境ですね。
ミヤギ:まさにそうで。ぜんぜん文化圏が違う方々が、一堂に会して食事をされたり、お話をされたりする光景はすごかったです。いちばん印象的だったのは、占い師のおじいさんで。どこか怪しげな雰囲気なんですが、どんな人の懐にも飛び込んで、ワインとかピザとかをおごってもらうような。