「100年後にラーメンの歴史を残したい」“引退表明”したラーメン博物館の館長が描く夢
つけ麺はラーメンか?
現在、ラーメン博物館は、30周年に向けた企画「あの銘店をもう一度」を実施している。2年にわたり、過去出店した約40店舗の銘店が、3週間ごとに出店する。
現在、出店しているのは埼玉県川越市の「頑者」(2022年8月12日から9月1日まで) 。極太麺×濃厚つけダレ×魚粉というスタイルの「つけ麺」に定評がある店である。魚粉は鯖節をベースとしたオリジナルブレンド。つけダレの中に溶かしただけではなく、具材として掛けられていることが特徴だ。
ちなみに前回「頑者」が出店したとき、“つけ麺はラーメンなのか?”と議論になったという。しかし、最終的に、つけ麺に関してはラーメンと言っていいのではないか、というところに落ち着いた。そして出店は、4年以上の長期に渡った。「頑者」の魅力は何か。岩岡氏は麺の味だと言う。
「皆さんどちらかっていうと、魚粉のほうにいってるんですけど。でも麺を食べなきゃだめですよ。麺」
つけ麺はラーメンなのか。極上の麺を味わいながら、考えるのも一興かもしれない。
完成したラーメン博物館で館長を
この企画で戻ってくる店舗は40店。「出店交渉はかなり難航したのでは?」と尋ねると、「ほぼみんなOKです。ポジティブに受け取ってくれてます」とのことだ。
戻ってきてくれるってことは、良い関係が築けてるってことだろう。
「人柄です(笑)……って誰かそう言ってくれるかな…と思ったら全然言う気配がない!」
冗談めかして言う館長だが、その人柄は、取材の短い時間でも十分に伝わってきた。7年後、経営者として引退したとしても、「完成」したラーメン博物館「館長」として留まっていただきたい、と思う。
<TEXT/中小企業診断士 関谷信之 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>