ニオイにうるさい後輩の正体。彼女の「足がクサイ」の一言にスッキリ
足がクサイことがバレて気まずい後輩
後輩は赤面し、これまでに見たことがないバツの悪い表情に。佐藤さんの彼女が気を利かせて店のスタッフに断りを入れて外へ出ますが、佐藤さんと彼女、そしてDさんのあいだには気まずい空気が流れます。
「後輩の彼女だけは、恐ろしいほど普通でした。でも、どう考えても、この気まずい空気を背負ったまま食事をする気にはなれません。それは僕の彼女も同じだったようで、気を利かせて断ってくれたのです。かなり不自然な断り方でしたが」
佐藤さんの彼女は、たくさんある飲食店をバックに「私、明日の朝仕事で早いから、いまから店選びしてると時間ないかな……。ごめんなんだけど、また今度行きましょう!」と断ったそうです。
「そう捲し立てるように言ったかと思うと、相手に有無を言わさず僕の手を引っ張り、苦笑いでその場を立ち去ったのです。僕ひとりだったら絶対に彼女のような行動はとれなかったので、すごく感謝しています」
ストレスを発散していただけだった?
その場は、どうにか逃げ切ることができてホッとした佐藤さん。次の日、職場でDさんに会い、「昨日は、彼女の都合で申し訳なかった」と詫びると、「全然ですよ。ハハハ」と苦笑いのまま離れていってしまったとか。
「前は毎日のように話しかけてきていたのに、いまはまったくです。ニオイについての批判をしている姿も見かけなくなりました。それにしても、他人のニオイを批判しまくっていた張本人が、実は足のクサイ男だったことはいまでも驚きです」
そう振り返りながら佐藤さんは、「真相はわかりませんが、2人のときは何かにつけいろいろと言われている様子だったし、いつも彼女から言われているニオイについての批判を真似、ストレスを発散していたのかもしれません」とも語ってくれました。
他人を傷つけないことはもちろん、自分が恥ずかしい想いをしないためにも、他人の欠点や曝け出されたくない部分については話題にしないよう心がけたいものですね。
<TEXT/夏川夏実 イラスト/デザイア恵利>