社内で「汗だくのジャケットが消える」事件が。まさかの犯人に驚がく
盗まれた3人には共通点が
「なぜジャケットがなくなるのか、みな一様に首を捻っていました。なくなったのはブランド物でもなく量販店のものですから、転売目的ではないでしょうし……。そんななかで話題になったのが、3人にちょっとした共通点があることでした。全員似たような体型をしていたんです。まあ、一言で言ってしまえばデブですね……(笑)」
それからしばらくして、真相が明らかになります。
「ジャケットの盗難を警戒していた総務の社員が、怪しい動きをしていた人物を捕まえたんです。問いただしたところ、一連の事件の犯人であることを自白。なんと出入りしていた保険のセールスの女性でした。もともと、会議などで人が出払っている部署をよくウロウロしていたそうです」
しかし、その女性はなぜあえて太った社員のジャケットを盗んだのでしょうか。
極度のニオイフェチだった犯人
「その女性曰く、理由は『ニオイ』だったそうです。極度のニオイフェチで、特に男性の汗のニオイに興奮するらしいんです。汗のニオイがきつそうな社員に目をつけて、通りすがりなどにニオイを嗅いでは興奮していたそうです。でも、徐々にそれだけでは我慢できなくなり、ついにはジャケットを盗むまでに至ったんだとか」
飯田さんの同僚は、妙な心境を語っていたそうです。
「被害者なのに『悪い気はしない』と言っていました。コンプレックスでもあった汗のニオイを好んでくれたことが嬉しかったみたいで……。盗まれた全員が警察にも呼ばれましたが、結局被害届は出さなかったようなので、ほかの2人も同じ心境だったのかもしれません」
当事者以外は理解しがたい事態に収束したこの騒動。まさに「蓼食う虫も好き好き」というかなんというか……。
<TEXT/和泉太郎 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>
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