ロバート秋山竜次が明かす「テレビでできないネタ」に挑戦する“喜び”
お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さんがさまざまなクリエイターに扮し、仕事ぶりや人生について語る連載企画「クリエイターズ・ファイル」が、今年9月から初の全国ツアー『クリエイターズ・ファイルEXPO』をスタートする。
胡散臭さ全開で、真剣にデタラメをするその姿からは、何か真理が潜んでいるような気さえしてくる。制作の裏側に迫った前編に続き、後編では、どうやって「芸人・秋山」が出来上がったのか、そのルーツを辿ってみる。
【前編の記事】⇒≪ロバート秋山竜次に聞いた「ノリで言っただけなのに」名言になる“秘密”≫を読む
子供の頃から「妄想の“塊”だった」
――そもそも、「いそうだけどいない人」をテーマにしようと思ったきっかけは、何かあったのでしょうか?
秋山竜次(以下、秋山):子供の頃から、地味な、うっすい箇所を真似たりするのは好きでしたね。友達や先生の、そこ真似るの、そこ広げる!? みたいな部分。誰かのあくびとか。
――いろんなことを想像、妄想して楽しむタイプでした?
秋山:もうまさにそれです。ずっと、その塊かもしれない。
前に出てガツガツ言うよりも、一歩引いて客観的に見ているほう。その引き出しが、今活きてきてるんでしょうけどね。だから、(「クリエイターズ・ファイル」で)髪型を変えたりとか、かつらを被ったほうが、普段出ないような言葉がスラスラ出やすいんですよね。自分の言葉じゃなくて、風貌、言葉を借りているというか。
「見なくていいところ」を見ていた
――子供の頃から“こういうところが気になって仕方ない”とか、ありますか。
秋山:テレビを見ている時、例えばCMのメロディなんかはすぐ覚えちゃう。あと、企業の系列店を知るのも好きですね。例えば、歩いている時も、白木屋と魚民って必ず隣にあるけど、あ、モンテローザグループだったんだとか。駄菓子を買ったら、すぐひっくり返して、会社名とその所在地を見て。「見なくていいところ」をめちゃくちゃ見てました。
――表に出ているところじゃない部分が、気になっちゃう。
秋山:そうです、そうです。チェーン店で飯食ってても、厨房の横に置いてあるダンボールに書いてある文字をじーっと見ちゃう。あれって国産なんだ、外国産なんだとか、気になって仕方がない。