ロバート秋山竜次に聞いた「ノリで言っただけなのに」名言になる“秘密”
「こんな人いた気がするけど…誰!?」が“理想”
――あまりにももっともらしくて、思わず「本当か?」って、そのキャラクターの名前や言葉を検索してしまう人も。
秋山:検索しても出てきやしない(笑)。でも逆に、検索されて出てきたら、どこかに迷惑がかかるので、テキトーなことを言っては、「この名前や会社、実際にあります?」って確認してるんですよ。
――本当にテキトーかどうかの確認を。
秋山:はい。だから最近やった、ミイラ の……「ロイペル13世」かな。
プロデューサー:12世です。
秋山:どっちでもいいわ!(笑)ミイラをやったんですけど、名前とか、王朝なんかが本当に存在しないことを確認する。基本的に「クリエイターズ・ファイル」のキャラクターって、全部漠然としてるんですよね。存在しないところで勝手にやってるのがいいかなあと。
ただし、たまに「あの人しかいないだろ」って、誰かを具体的に思い出させてしまいそうな時は、少しずらすように工夫します。大事にしているのは、「いそうだけど、誰なのか出て来ないー!!」っていうパターンですね。
「ノリで言っただけなのに」名言になる“秘密”
――話も、何かいいことを言っているようで、具体的には何も言っていない……。極論が説得力をもつ不思議さがあります。
秋山:ね!? だから、ほんとに、説得力ある感じで言い切っちゃうと、それを信じてしまう人もいっぱいいるでしょうから、おそろしいですよね、言葉って(笑)。
「クリエイターズ・ファイル」は、ただただ面白いと思われるためにやってるんですけど、時々「すごい素敵な言葉で、胸に刺さりました」みたいなことを言われると、「いやいやいや、ちょっ、ちょっと、テキトーだからね!?」ってこっちが恐縮する(笑)。
――大真面目に堂々と言われると、含蓄があるような気がしてくるのでしょうか……。Vol.4で、自分でも「それっぽい言葉出た!」と思ったものはありますか。
秋山:たとえば、百万人の謝罪を見た男、謝罪心理アナリストの「坂崎周太郎」。ワイドショーを見ていたら、会見を見て、ああだこうだ言ってる人がいて、面白いな! と思って。だって、謝罪の真意なんか、究極的には本人しかわからないじゃないですか。なのに、「あんまり反省してないですね」とか、めちゃくちゃ言うなあと思って(笑)。
それで、本人の心理を分析するキャラやりたいなと思って。謝り方として、「語尾を下げ、言葉にもお辞儀をさせてあげる」って適当に言ったんだけど、おお、なんかそれっぽいって(笑)。一個出てきたら、それを一生懸命広げて(笑)。