安倍氏暗殺、なぜ駅に背を向けて演説したのか?「首相経験者」が過去にも危険な場面に
銃撃事件以前にも危険な場面はあった
大和西大寺駅での失態から、奈良県警が世間から批判を受けることは仕方がないことです。しかし、安倍元首相に対する警備がザルだったのは奈良県警だけではありません。筆者は参院選の公示日となる6月22日に東京・有楽町駅前で安倍元首相の演説を取材しています。
このとき、安倍元首相とともに2人のSPが選挙カーの上に立っています。そのときに撮った写真すべてを確認しましたが、SPは正面を向き、後方を警戒する様子はありません。後方には東京交通会館という商業施設があり、そのテラスから選挙カーの上に立つ安倍元首相を狙撃することは容易な状況なのに……です。
参院選の最終日となる7月9日の夕方、同じ場所で自民党が街頭演説をしています。安倍元首相の事件翌日ということもあり、東京交通会館のテラスは立ち入り禁止。また、演説中は当然ながら前方・後方どちらにもSPが目を光らせていました。
岸田首相の警備体制は?
今回の件でSPの警戒体制が気になった筆者は、安倍元首相が再登板する2012年の自民党総裁選の写真すべてを確認してみました。
2012年の自民党総裁選は安倍元首相を含めて5人の候補者が立ち、新宿駅西口などで街頭演説を実施しています。新宿駅西口では選挙カーの上に立候補者が並び、その両端にSPが2人いることが確認できます。しかし、どちらのSPも正面を向き、後方を警戒している様子はありません。
それでは現職の岸田文雄首相の警備体制はどうなっているでしょうか? 場所は異なりますが、6月25日に吉祥駅前で岸田首相は街頭演説をしています。このとき、選挙カーの上にSPは2人。1人が前方を、1人が後方を向いているのが現場で撮った500枚以上の写真から確認できます。