「弁護士ドットコム」創業者の新たな挑戦とは?民間から国政、そしてまた民間へ
日本の若い人たちも失敗を恐れずに
――最後に人生の先輩として、読者にメッセージをいただけますか。
元榮:やっぱり一度きりの人生なので、いろいろなことに挑戦してもらいたいと思います。「やった後悔より、やらなかった後悔」のほうが大きいですから。あと、若い人に言いたいのは、もっと危機感を持ったほうがいいということ。
豊かで平和な日本というのは、あの戦後の荒廃から寝食を忘れてがむしゃらにがんばってきた方々の“成功の果実”を食べている状態だと思うんです。いよいよその“果実”にも限界が近づいています。本当の意味で厳しい時代が迫ってきていると感じるので、若い世代の皆さんにも危機意識を持っていただきたいと切に思います。
ただ、そういう時代だからこそ、やった人が輝けるのだと思います。オリンピックを見ていても、Z世代のアスリートたちがメダルをたくさん獲りましたよね。やった人が輝きやすい時代でもあるんじゃないかと思います。これは日本の良くない気質という面もあるのですが、一生懸命努力することを斜に構えしてしまうところもありますよね。
でも、それってすごく怖いことだと思うんです。今は世界中の若い世代が「アニマルスピリッツ」を持っていて、新しいことに次々と挑戦しています。東南アジアの国々も含めて、「そのうち日本を抜けるな」ってすごい自信を持ち始めているんです。だから、日本の若い人たちも失敗を恐れず、さまざまなことにチャレンジしてもらいたいと思いますね。
<TEXT/bizSPA!取材班>
【元榮太一郎(もとえ・たいちろう)】
1975年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。1999年に旧司法試験に合格し、司法修習を経て2001年弁護士登録。2005年に独立、元榮法律事務所(現、弁護士法人Authense法律事務所)を開所。同年、オーセンスグループ株式会社(現、弁護士ドットコム株式会社)を創業。2016年、参議院議員通常選挙に自民党公認候補として立候補し当選。2022年よりAuthense法律事務所と弁護士ドットコム株式会社のCEOに。自ら法律監修の代表を務め、Authense法律事務所弁護士が執筆協力・監修した書籍『世界の富裕層に学ぶ 海外投資の教科書』が発売中