<漫画>こじらせアラサーOLが暴走…映画マニアを描いた経緯を作者に聞く
気に入っている回は?
――本作を描いていて楽しいところやこだわっているところを教えてください。
アサイ:木根さんの傍若無人なところですね。映画論とか佐藤さんをはじめ友人たちに対する態度とか。「分かるだろ? 分かれよ!」みたいに面白い顔をして独りよがりにキレているシーンを描くのは楽しいです。
「木根さんの1人でキネマ」はとにかくセリフが多い漫画なので、飽きられないようボケれるところは積極的にボケていこうと気をつけていますね。あと木根さんに限らずやらかしたキャラクターは、何らかのツッコミや報いを受けるようにしてバランスをとっています。泣ける映画回など例外もありますが。
――アサイさん自身のお気に入り回があったら教えてください。
アサイ:夏のホラー回は「な~んちゃって」でオチず最後まで怖い話で終われたのが気に入っています。『ゴジラ』シリーズ回は自分でもビックリするくらい、いい話になりましたね。ゴジラの話ができた満足感、満を持して大人になった木根さんと幼馴染が再会するシーンが気に入っています。
シリーズものだと『スター・ウォーズ』回「エピソード6 4バカの帰還(前後編)」です。スター・ウォーズの名台詞を単にパロディなだけじゃなくストーリーに組み込めました。木根さんのスター・ウォーズ回3部作の完結編として綺麗にまとめられました。それからさっき言った泣ける映画回と、どんでん返し映画回。毎度ヒドいこの漫画の中でもヒドさが頭一つ抜きん出てるので(笑)。
「映画を観るようになった」と言われると嬉しい
――本作の読者には映画が大好きな人も、普段そこまで映画を観ない(観なかった)人もいると思います。それぞれの感想で印象に残っているものはありますか?
アサイ:本作はニコニコ静画でも公開してるんですが、みなさんのコメントがつくとまた別の作品として昇華されるなと感じます。作中に登場した映画(論)へのコメントなど、毎回作者の僕でも新鮮な気持ちで読み返せます。やっぱり木根さんがきっかけで映画を観るようになったと言われると、素直に嬉しいです。
――もしこの場で伝えたいことがあれば最後にお願いいたします。
アサイ:みなさん、1人でもみんなでも映画を観ましょう!!
<取材・文/日比生梨香子 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>