bizSPA!

拡大するセリア、伸び悩むキャンドゥ。「100円ショップ」業界はどうなるか

ビジネス

3COINS:実は衣類事業がメイン

3COINS

©yu_photo

「3COINS」は、300円均一のお店ですが、同ブランドを展開する株式会社パルグループホールディングスは衣類事業がメインの企業です。2022/2期における衣類事業の売上高は871億円で、「COLONY 2139」や「IACUCCI」など多数のブランドを展開しています。

「3COINS」などを展開する雑貨事業はパルHDにとって第2の事業であり、売上高は470億円程度です。なお衣類、雑貨の両事業はEC展開も行っています。2019/2期から2022/2期までの業績は以下の通りです。

【パルグループホールディングスの業績(2019/2期~2022/2期)】
売上高(全社):1305億円→1322億円→1085億円→1342億円
営業利益:79.3億円→90.7億円→13.8億円→75.2億円
最終利益:47.6億円→70.3億円→2.7億円→40.0億円
売上高(雑貨事業):342億円→350億円→329億円→470億円
店舗数(3COINS):190店舗→199店舗→211店舗→230店舗

衣類事業の落ち込みを雑貨事業が支えた

 同社の業績は2021/2期に落ち込んだのち、2022/2期に回復しています。2020/2期は衣類事業がやや伸びた一方、雑貨事業も店舗数増加に伴い増収となりました。増収でも発注数量を的確にコントロールできたことで売上原価は前年と変わらず、大幅な増益となったようです。

 しかし、2021/2期はコロナによる商業施設の休業・時短営業のほか、外出控えによって衣類事業が大きく落ち込み、売上高・利益が大幅に減少しました。それでも日用品類の需要は堅く、雑貨事業の減収幅は6%程度に抑えられています。翌2022/2期はコロナ以前の水準に至らないものの衣類事業の売上高が回復しました。

 そして、雑貨事業は巣売上高が43%も増加しています。衣類・雑貨ともに2022/2期の好調は外部要因が主ですが、同社が需要増加にうまく対応できたことも増収の原因と言えるでしょう。近年の業績は衣類事業が伸び悩んだうえ、コロナ禍で大きく落ち込むなか、3COINSなどの雑貨事業に支えられた形です

おすすめ記事