「コロナ倒産」が3500件突破。秋以降に倒産件数が“急増”する見通しも
予断を許さない状況が続くのか
この2年間で浮き彫りとなったのは、人の移動が制限されることで経済損失を受ける業界がいかに多いかだ。2022年は2年ぶりに規制なしのGWだったこともあり、観光業や飲食業にも徐々に活気が戻ってきたような印象だが、以前のような盛り上がりには戻るのは難しいという。
森氏は「緩やかな回復にとどまる」と今後を予想した。
「コロナが落ち着いたとしてもすでにリモートワークが広がっており、大手企業を中心に飲み会などの自粛も長引いています。またZOOMなどの普及で出張ニーズ自体が減ってきているのも影響してくると思います。
政府は緊急事態宣言などを出したくない考えのようですが、過去2年間の経験から温度や湿度が下がりだす秋以降で感染者数は上昇に転じ、蔓延防止法の措置が再び出ることは容易に想像できます」
これから夏にかけてインバウンド需要も戻ってくるだろうが、秋以降の感染者の状況次第では一気に倒産の波に飲まれてしまう可能性もある。業界全体として未だ予断を許さない状況は続くのだろう。
<取材・文/角やえこ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>