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唯一の味方だった母の本性。28歳男性が知った“DV家族”の真実

コラム

就職して実家を出ることになり、母は涙

「兄とつかみ合いの喧嘩になることもしばしば。でも、ガタイの良い兄にはまるで敵わず、逆にボコボコにされて……。その後は、さらに険悪な関係になって、本当に母以外の家族とは会話しなくなりました」

 そんな須崎さんは、家を出るかどうか激しく悩むことになります。「大学に通うことになって、家を出てひとり人暮らしをするか真剣に悩みました。早く家を出たいという思いがありましたし、実家は千葉の片田舎で、学校まで2時間以上かかる場所だったので。でも、母のことを思うと、家を出るわけにはいきませんでした」。

 しかし、大学卒業後にどうしても家を出て行かざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。

営業職になったので、日本全国を飛び回るようになり、実家にいることができなくなったんです。母には泣かれましたね……。置いて家を出るのはしのびなかったでのですが、その分は頻繁に実家に帰省して、できるだけそばにいられるようにしました」

理解不明な母の言動を知ってしまう

謝罪

 須崎さんが忙しい日々を送っていたある日、思わぬ人物から携帯に電話がかかってきます。

兄からでした。番号すら知らなくて、電話に出てみたら兄だったのでびっくりしましたが、『どうしても直接話したいことがある』と。気は進みませんでしたが、ただならぬ剣幕に圧倒されて仕事の合間を縫って時間を作って会いに行きました。待ち合わせ場所につくと、出会い頭にいきなり『今まで悪かった』と謝られたんです

 兄は、大人になって改心した……というわけではありませんでした。

「『母さんの本性を知って、お前に悪いことをしたと思ったんだ』と言われました。真意は不明なものの、母は自分を大事に扱ってほしいがためにか、僕には『兄と父から虐待されている』と語り、兄には『僕と父から虐待されている』と語っていたというんです。兄が理不尽に暴力をふるうのは、実は『僕から母を守るため』だったと。両親が口論になった際に、父がそう語っているのを聞いたそうでした」

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