元ユニクロ最年少役員が語る、38歳での挑戦「最悪なタイミングだった」
「相手の心に火を灯す」という軸
――確かに。それはそう思いますよね。
神保:ただズーム会議が主流になり、初めてズームトーチングをしたときに、一気に世界が近くなった手応えを感じたんです。あと対面だとお互い熱量や勢いで話すこともあるのですが、ズームだと慎重さと丁寧さが合わさるというか、眉間のシワや細かいところが見きれないので、相手の声をより静聴するようになったんです。
聞き入ることも含めて、ズームでもトーチングの「相手の心に火を灯す」という軸をブラさずに、対面とは違う価値を提供できることを知りました。これは、自信につながりましたし、ありがたいことに、コロナ禍でも順調に立ち上げができた要因です。
――収益モデルは決まっているのですか?
神保:現時点での収益モデルは明確です。ネットで会員限定公開している「トーチング日記」は本気で悩みを相談をしてくる方と、全力で応える私との生生しい対談を、購入者がそのまま読める作品です。また日記の文字だけでは伝えられないことを、音声動画サービス「トーチングラジオ」として配信しています。
トーチングラジオではトーチング日記の翌日に配信し、その面談の背景や行間の思い、なぜこの相談者にこのアドバイスをチョイスしたのかを解説しています。トーチング日記は月額1000円、トーチングラジオは日記も読めるという切り口で、月額3000円で行っています。この2本がメインのサービスであり、収益モデルとなっています。
これまでの縁がつながった
――会社立ち上げ時には最初にどう世間にアピールしたのですか?
神保:「ユニクロの決算発表会などで柳井さんと一緒にメディアに登場していた神保さんが、なにやら面白そうなことをやっている」ということで、トーチリレーを取り上げてくれるようになりました。また「WWD」というファッションビューティ専門の媒体があるのですが、ユニクロ時代の同僚が、そこの編集長のメルマガの読者だったんです。
その同僚から「すごい人がすごいユニークな会社を立ち上げたので、よろしければ取材に行ってくれませんか?」というラブレターを編集長に送ってくださっていたんです。
起業して1~2か月だったのですが「取材させてください」と連絡がきて、たまたまユニクロの番記者の方もいらっしゃって、その編集長と一緒に取材を受けました。そこで僕の想いに感銘を受けてくださり、全8回で「私とトーチング」についての大型連載を2か月に渡ってやってくれたのは本当にありがたかったです。1年経たずに今までのご縁が全てつながっていると感じました。