唐田えりか×山下リオ×伊藤沙莉、「女優に向いてないと思った瞬間」
――唐田さんの場合は、女優業もここからですね。
唐田:そうですね。2人の話を聞いて、そうか~ってなります。でもいま現在、前だけ見て周りを見ていない感じはあります。
伊藤:最初はなりますよ。いや、先輩面はできないけど(照)。
唐田:私は、演技は自分に向いてないと思っていて、二十歳になったらやめようと思っていたんです。でもこの作品に出会ったことで、前が開けました。ふたりの感覚に追いつくまでには、まだまだこれからです。やっぱりお姉さんだなって感じます。
3人のこれからの目標は?
――これから、みなさんどんな女優、女性になっていきたいですか?
伊藤:余裕がある人になりたいですね。余裕がないと、結局全部がマイナス思考になっていく。先輩方を見ても、みんな焦ってないし、自分のペースを分かっている。現場での居方もそうだし、プライベートでもいちいちせかせかしていない。
――でも20代のうちはせかせかでもいい?
伊藤:そうですね。動けるだけ動けばいいと思う。30代でもまだ落ち着かなくていいかな。ただゆくゆくは、ちょっと余裕のある感じになりたいですね。
山下:私も、周りに流されず、自分を持った自由なかっこいい人になりたい。
――そうした先輩は身近にいますか?
山下:います。草笛光子さんにお会いしてから、大好きなんです。ヒールを履かれて、部屋に入ってきたときから、オーラがすごかった。実際にお話ししていてもすごいエネルギーですし、いつまでもユーモアを持っていて、いろんな勉強をし続けている。草笛さんは84歳ですが、そうした姿勢がめちゃくちゃかっこいい。なんでも豪快に笑い飛ばしてくださいますし。憧れます。
唐田:私は自分に正直に生きていきたいですね。嘘を付かず、やりたいことはやりたいし。やりたくないことは、やりたく、ない? あれ?
伊藤:アハハ。いいんだよ、それで。
唐田:私はやっぱり映画が好きです。この作品が特別なものになったので、こうした現場にまた出会いたい。そのためにも頑張りたいです。
――最後に本作のヒロインを務めた唐田さんからメッセージをお願いします。
唐田:観る方によって感じ方が変わる作品かなと思います。いろんなことを感じて、皆さんにも自分に正直になってほしいですし、正直になることへの背中を押してくれる作品だと思います。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
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