不動産業界「ファックス文化」に“変化の波”。ハンコ、印紙税…業者の本音は
TikTokを利用した部屋紹介で人材の多様化も
また不動産のオンライン化は、人材採用にも影響を与えそうです。アナログからデジタルへの転換期にあるわけですから、単に足を使って営業をする人材だけでなく、パソコンやスマホといったデバイスに詳しい人や、動画制作が上手い人が求められるようになるかもしれません。
現に動画アプリ「TikTok」を使って部屋の募集を行う不動産業者もいます。通常は「SUUMO」や「at home」のようなポータルサイトに物件を載せるケースが多いですが、フォーマットに制限があるため表現の自由度は落ちてしまいます。しかしTikTokであれば業者が独自の見せ方ができるため、部屋をより魅力的に伝えられるのです。
働き方改革、キャッシュレス化、男性育休など、国が主導を始めたときには何かと批判が出ました。不動産のオンライン化も同様で、国の考えと現場の事情にはギャップがあり、すぐには受け入れられないのは仕方がないことでしょう。しかし世の中の動きを見るとオンライン化は必須です。
これまで対面、紙の書類が当たり前だった不動産業界でもオンラインで取引する選択肢ができたことは、大きな一歩ではないでしょうか。
<取材・文/薗部雄一>